法律を形骸化するトランプ氏の危険なやり口 消費者金融保護局トップ交代が意味すること
トランプ大統領が「腐敗を一掃しろ」と言ったとき、彼は明らかに、ウォール街が消費者を搾取するのを妨げるものを取り除くことを意味していたようだ。
ウォール街と共和党は、はじめからCFPBを邪魔に感じていた。顧客を利用していた銀行がその原因の1つとなった2008年の金融危機の惨禍から共和党員が学んだことは、「すべて大丈夫だった」ということだけだ。
上院の共和党員たちは、バラク・オバマ前大統領にCFPBのトップを指名させないよう躍起となり、コードレー氏に対して長い議事妨害を行い、オバマ大統領にコードレー氏を臨時の議会休会中に任命するよう強制した。共和党員らはまったく変わっておらず、トランプ大統領がウォール街の是正に取り組むという期待は、もはや幻想であることが明らかになっている。
「暫定トップ」を配置した理由
コードレー氏が早期辞任を決めたのは、CFPBによる規制に反発する議会にいらだちを感じたからかもしれない。先月、マイク・ペンス副大統領が上院議決を受け入れたことによって、議会は消費者が銀行に対して集団訴訟を起こす権利を保護する新法案を廃案に追い込んだ。
それでも、共和党上院議員には民主党の議事妨害を破り、ドッド=フランク法を覆えしたり、修正させたりするほど票を集められないため、議会がCFPBを骨抜きにするのには限度がある。そのタイミングで出てきたのが、トランプ大統領によるムルバニー氏のCFPBの暫定トップ任命である。