法律を形骸化するトランプ氏の危険なやり口

消費者金融保護局トップ交代が意味すること

CFPBをうとましく感じているトランプ大統領(写真:Jonathan Erns/ロイター)

2012年から、消費者保護を担う米国消費者金融保護局(CFPB)の責任者を務めているリチャード・コードレー氏が、5年の任期が終わる前に辞任すると発表した。暫定責任者は、自称「右翼バカ」のミック・ムルバニー氏となる。

現在、ドナルド・トランプ政権の行政管理予算局長であるムルバニー氏は、長い間政治家として、規制を緩和することに力を注いできており、CBSニュースは「CFPBを長年批判してきた人物」だと伝えている。つまり、ムルバニー氏の指名は、CFPBを完全に廃止することと機能的に同じであるとも言える。

トランプ大統領に目障りなCFPB

この不吉な兆候は、大企業に対する規制を撤廃しようとしているトランプ政権による決定の最新事例だ。そして、これは政府幹部がいかに、一方的に公的政策を立てているかを示している。トランプ大統領と共和党議会はまだ大きな法案を通していないが、法案を通さなくても、多くの政策目標を達成できてしまうかもしれないのだ。

欠陥も指摘されているが、「ドッド=フランク・ウォール街改革・消費者保護法」の最も重要な要素の1つは、CFPBの創設だった。同局は、消費者の搾取を防ぐために金融商品とサービスを規制する権限を与えられている。

トランプ大統領、議会共和党そして金融業界がコードレー氏を嫌がっていたのは、彼が自分の仕事をしたからである。ワシントン・ポスト紙の金融業会担当記者、ラナエ・メル氏によれば、「共和党員たちは、コードレー氏がビジネス界に嫌われているルールを強引に推し進めていることに怒っていた。トランプ大統領は少なくともコードレー氏のプライベートに関する事柄を2つ握っていて、彼があとどれだけ責任者を続けるのか気をもんでいる」と話している。

次ページはじめからCFPBを邪魔に感じていた
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