「従来型」のアドフラウドが一掃されないワケ 一掃は水虫の撲滅と同じくらい難しい

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このタイプのアドフラウドは、動画広告の需要が世界的に高まり続けている現在、広告主にとってまったく頭痛の種となっている。デマンドサイドプラットフォーム(DSP)のメディアマスでサプライ部門責任者を務めるルイス・ロスコフ氏は、ディスプレイ広告の在庫を動画広告の在庫であるかのように見せかけているSSPを現在も見かけると語った。ロケットフューエルとインテグラル・アド・サイエンスが4月に共同で発表した調査結果によると、動画広告在庫の最大70パーセントが、この手口によって偽装されているという。

反社会的勢力の資金源に

フェイクニュースへの意識が高まり、またアクティビストが差別主義的コンテンツへのブランドの広告出稿を告発するためにSNSでスクリーンショットをシェアする活動を続けている現在、ブランドイメージの毀損を防止することがますます必要になっている。そのため一部のマーケターは、ホワイトリストやブラックリストなどのツールをより積極的に利用することで、広告費を反社会的勢力に渡さないように努めている。

しかしブランドセーフティの取り組みはいたちごっこになっており、依然として解決していない。ポルノ、違法コピー、ヘイトスピーチのサイトは、もはやブランドの広告を自サイトのページに直接呼び込むことができなくなったため、最近は中間業者に転じることで、ブランドの広告費をどこでむしり取っているのかわからないようにしているとティファニー氏は語った。こうした仲介業者は広告費詐取のために、従来型の手口を使っているのだ。

一例としては、無防備なポルノサイトユーザーにポップアップ広告やポップアンダー広告を表示させる手口が挙げられる。たとえばポルノサイトが、アドネットワークを、一見ポルノとは無関係なfashionshack.comなどのサイトに接続しておく。ユーザーがそのポルノサイトを訪れると、別のブラウザウィンドウが既存のウィンドウの下に隠れる形で開き、そこにfashionshack.comが自動的に表示されるようになっている。ここに大したコンテンツがなくとも、ポップアンダー広告がユーザーから見えない状態で更新され続けるため、何千回ものインプレッションが発生する。このような手口では、カムフラージュ用のサイトは、ポルノコンテンツを掲載していないうえに別ウィンドウで開かれるため、ブランドイメージ毀損の防止に取り組むベンダーの監視をすり抜けるおそれがある。

広告主は、広告の出稿先を考慮せずにオーディエンスをターゲティングしたり、怪しい動画広告在庫を買い入れたりする習慣をやめることで、アドフラウドの被害に遭う可能性を減らすことができる。出稿先のサイトを絞り込むことも有効かもしれない。さらに、高品質な広告在庫が供給されにくいニッチな層を重点的に狙う場合は、より慎重になる必要がある。

「悪徳業者は、マーケットの防衛手段のレベルに合わせて、アドフラウドの手口のレベルを変える」と語ったのは、アドフラウド関連のコンサルティングサービスを提供するメソッドメディアインテリジェンスの創業者、シャイリン・ダール氏だ。「だからこそ、いま、ベーシックな手口のアドフラウドがこれほど横行しているのだ」。

Ross Benes(原文 / 訳:Conyac)

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DIGIDAY[日本版]編集部

2015年9月1日にローンチした「DIGIDAY[日本版]」を運営。同サイトでは米「DIGIDAY」が日々配信する最新のデジタルマーケティング情報をいち早く翻訳して掲載するほか、日本国内の動向についてもオリジナル記事を配信している。メディアジーンが運営

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