この経験からさすがに懲りて、ギャンブルをするなら1回1000円や2000円など少額で、性欲は1日3回の自慰行為で解消することで落ち着いている。ただ、女性とセックスがしたいという根本的な欲は解消されていないのが悩みだという。
仕事中は必要最低限の会話のみにとどめる
東京で働いていた雀荘では、最初は契約社員からスタートして正社員となったが、残業代の未払いに耐えきれず退職。昨年、地元の福島に戻ってきた。現在は祖父母の家に身を寄せ、コンビニで働いている。今は治療を行っていないというが、働くうえで困っていることはないのだろうか。
「ADHDの特徴の1つに落ち着きのなさが挙げられますが、僕の場合、その落ち着きのなさはコンビニや雀荘といった、せわしなく動き回ったり、つど細かな仕事が発生したりする職に生かせていると思います。そして、これはネットで調べたり、ほかのADHDの患者さんと話したりした際にわかったのですが、この病気の人たちって、深夜から午前中にかけて睡眠を取る、やや昼夜逆転ぎみの生活サイクルがいちばん体調のよい人が多いみたいなんです」(横山さん)
横山さんも深夜2~3時に寝て朝は10時ごろに起きる。正午から8時間、または14時から8時間のシフトで働く。雀荘で働いていた頃は夜勤があったが、今の仕事では夜勤を入れない。
「思ったことをすぐ口に出してしまわないよう、仕事中は必要最低限の会話におさめるよう心掛けています。でも、どう見ても未成年がたばこを買いに来て、『年齢が確認できるものを見せてください』と言っても、『は? そんなもんねぇよ』と見せてくれないときは、きっぱり『ダメだろ!』とかは言っちゃいますけどね(笑)」(横山さん)
以前はギャンブルや風俗でおカネを使ってしまい、貯金ができなかった横山さんだが、現在は夢に向けて貯金中だ。
「お酒が好きなので、みんなで楽しく飲めるようなスポーツバーを友達と開きたくて、おカネを貯めているところです。僕はまたお客さんとケンカしちゃうかもしれないので、経営側にまわり、店にはほかの人に立ってもらおうかなと。
今は祖父母の家に住んでいて家賃が必要ないので、その分貯められそうだなと思っています。あと、お酒を覚えてからシメのラーメンにハマり、30kgほど太ってしまったので、とりあえずやせようと縄跳びとウォーキングを頑張っているところです」
そのときの衝動で行動してしまう症状を抑えるため、横山さんは工夫と努力を重ねている。まずは、このままうまく病気と向き合いながら、貯金と減量が成功するのを願いたい。
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