外国人が萌える「ニッポン」はどこにあるのか ゴールデンルートがすべてじゃない

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チャーミングな木造の家、水平線へと続く鮮やかな緑の田んぼ、古い寺や神社、水墨画から出てきたような山の景色のある讃岐地域全体には、「本物の日本」を感じずにはいられない。高松の生き生きとした雰囲気や、絶品の魚介類など、「ゴールデンルート」では味わえない日本のよさが讃岐にはあると感じる。

山陰地方

日本人の多くは、島根と鳥取、この隣り合った2つの県を「不便で魅力がない場所」と考えていないだろうか。実際、ブランド総合研究所が行っている都道府県のブランド力調査(2017年)では、島根県はかろうじて27位に入っているが、鳥取県は41位と下から数えたほうが早い(ちなみに1位は北海道で、9年連続で1位を獲得している)。島根が、それなりに順位が高いのは、出雲大社や石見銀山など全国的に有名な観光名所があるからだろう。

山陰は外国人観光客にとって最高の場所

とはいえ、筆者から言わせれば、この2つの県は、外国人観光客が訪れるのには最高の場所の1つだと確信している。アクセスが悪いと言われているが、実際はかなり簡単に行くことができる。大阪や山陽新幹線の駅から、特急列車で行けるほか、日本に残っている2つの夜行列車の1つ「サンライズ出雲」に乗れば、東京や大阪から米子や松江、出雲に行くことができる。

言わずもがな、鳥取には広大な砂丘がある。旅行者はここでラクダに乗るという非日常的な体験ができるほか、隣接する「砂の美術館」では息をのむような美しい砂の彫刻を楽しむことができる。彫刻は堂々たる大規模なもので、定期的に新たなテーマに合わせて作り替えられる。また、鳥取には日本有数の美しいビーチがある。

一方、松江は、比較的保存状態がいい松江城のほか、見事な庭園で知られる足立美術館、後に小泉八雲として帰化したラフカディオ・ハーンの旧邸宅もある。少し足を延ばしたところにある石見銀山では、日常的に死に直面する銀鉱山労働者の視点から、日本の過去のおぞましい部分を、少しだけ垣間見ることができる。

鳥取・島根の2県では、日本の文化を体験し、歴史を学べるだけでなく、美しいビーチや高くそびえる山々、緩やかな砂丘、そして茂った森といった多種多様な自然に触れることができる。海沿いのドライブも、車窓から見える景色も本当にすばらしい。筆者は両県をまたぐ山陰本線に乗ったことがあるが、これは本当にオススメだ。車窓からは、日本が今のような経済大国になる前の姿が残っている。

また、島根には、日本最高の(そして、かなり過小評価されている)日本酒の酒蔵がいくつかあり、地域住民の地酒に対する愛も深い。陳腐に聞こえることを覚悟で言うが、ここに住んでいる人々は、ゴールデンルートで出会うような人たちよりも、典型的な日本人の生活を送っているように見える。

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