自分の名前で食っていく「人類2.0」 藤原和博とスーパーIT灘高生が考える(下)
藤原: もはやTehu君には高校を卒業するとか、大学に入るとか、そういう普通の人が4月ごとにやるような時間感覚はなくて、しかも大学は4年である必要もないという感じがするんだけど。
Tehu: そうですね。もう人脈がかなりできているし、活動の舞台もあって、あとは東京に来ればオファー殺到みたいな感じになっていてですね、ありがたいことに。……すいません。(謙遜しながら)でお願いします(笑)。
軸だけは失わないようにする
藤原: (笑)ずっと話を聞いていて、Tehu君はまずとにかく頭が圧倒的に良くて、ものすごく器用な人だと思いました。
それで、これは本気で心配しているわけじゃないんだけど、ちょっとオジサンの心配ということで、ホント「そんなもん、いらねえよ」って感じだと思うんだけど、あえて言うとね、器用すぎてあれこれやって、それが全部できちゃうから、何やってんだかわかんなくなってしまわないかな、というのがある。
たとえば、秋元さんはAKB48でどんといきましたよね。もちろん、それまでにもいろいろなプロデュースをしていますが、あれである種のお城を建てちゃった。その実績があれば、次にどんなことでも向かっていけるんだけど、Tehu君は何か核になるものがなくていいのか。それはこの先、10年ぐらいやって見つければいいのか。そういうことをオジサンが聞いたとしたら、どう答える?
Tehu: 一応軸はあります。それは「人の笑顔」という4文字です。ボクがやっていることは全部この軸に合わせてつくっているんですよ。代表作みたいなものはいつかどこかで出てくるだろうなと、わりと楽観的に考えていますね。ただ、その軸だけは失わないようにして、軸からはずれたことは絶対やらないです。
物語に共感してくれた人が買ってくれる
藤原: Tehu君はいわゆるハードな商品開発には興味あるの?
Tehu: あります。ファブリケーションに興味があります。
藤原: オレ、和田中の校長を辞めてから、腕時計のプロデュースをやっているんですよ。
Tehu: そうなんですか。