自分の名前で食っていく「人類2.0」 藤原和博とスーパーIT灘高生が考える(下)
藤原: あ、そう。オレ、自慢じゃないですけど、まず携帯はほとんど使わない。発信専用しか使わないんですよ。それからツイッターもフェイスブックもごく最近までやらなかったし、パソコンでメールのやりとりはするけれども、それ以外の技術はないし、ホームページは15年ぐらいやっているけど、全部ウェブマスターにおカネを払ってやってもらっている。
そういう意味では、超ITできないオヤジなんです。だけど、その超ITできないオヤジが、ネットと人のつながりでモノづくりができるからね。
いま開発中なのがリュック。Tehu君には来年2月にリュックをぜひ変えてほしい。まだ製品になってないんですが、(写真を見せて)こういう感じ。ハードシェルでカッコいいでしょ?
知り合いに「ワオ・コーポレーション」という学習塾の社長の西澤昭男さんがいるんですが、その会社に3Dのデータを起こせるスタッフがいて、ベルギーの「マテリアライズ社」というところにデータを送って、3Dプリンターで削りだしてもらったんです。
12月末までに見本ができそうだから、何人かにちょっと使ってもらって、いろいろ具合を見てもらいたいの。茂木健一郎さんと勝間和代さん、Tehu君にも。
Tehu: わかりました(笑)。
藤原: もしTehu君が本気になれば、おもしろい携帯電話や、下手するとクルマを開発することも可能なんじゃないの?
Tehu: いいですね。モノだと家具を3Dプリンターでつくってみたいです。
藤原: たしかにデザイナーとか言ってて、「IKEAで買って組み立てました」とかじゃつまんないよね(笑)。
Tehu: (笑)
「あなたは何になりたいの?」はナンセンスに
藤原: 東京に来たら一番やりたいと思っているものは何?
Tehu: ひとつはメディアアートですね。デジタルとデザインを融合させたもの。
──Tehu君が一番なりたいのはプロデューサーでは?
Tehu: 最終的にはそうです。プロデューサーがデザイナーを動かす存在なので。たとえばボクが個人事務所をつくったら、クリエーターが入り、彼らがつくって、ボクはディレクションというか、コンセプトを出して指揮したり。それがまあプロデューサーですけど。