調達額300万円に落胆したベンチャーの誤算 仮想通貨使う国内初のICOが不発だったワケ

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メタモが作ったホワイトペーパー

「ホワイトペーパーはきれいに作られているが、学生の妄想や絵空事のような話が多い。これがベンチャーキャピタルへの説明であれば門前払いであろう。夢を語るパンフレットにすぎない」(玉川氏)

「プロジェクトの実現性が全体的に低そうで、内容もフワフワしている。とはいえチームメンバーが若く、文章からは誠実そうな雰囲気を感じる。『チームを気に入った、応援したい』というならトークンの購入はありかも」(斎藤氏)

この両者の意見、どちらかが正しくてどちらかが的外れというわけではない。ICOとは「予定していた開発は絵空事に終わるかもしれないが応援したい」というワリキリで、資金を出すものとも言えるからだ。

ICOの成否を左右するPRも不足

メタモのICOが少額に終わった2つめの理由はPR不足だ。その点については佐藤氏も自覚している。

事前告知の期間からして2週間前後と短かった。まずはやってみようという思いが強かったのだという。さらに一般へのPRはプレスリリース配信代行サービスで行っただけだった。

そうしたことを踏まえると、調達額3万ドルという結果はある意味当然だったのかもしれない。だが、意識的にPRを押さえたという事情もあるようだ。ICOの現状に対しては、「PRにおカネをどこまでかけるかでICOの成否が決まってしまう」という佐藤氏なりの問題意識があったという。次のようにその思いを吐露する。

「自社のICOをブログで取り上げてもらうために人気ブロガーと会食して接待したとか、『こういう人もこれだけ自社のトークンを購入した』という話題を作るために一般の購入者には秘密の割安価格で著名人に購入してもらうといった話をよく聞く。そのようなやり方は不健全なうえに、ベンチャー自身も食い物にされていると感じる」

これはあながち佐藤氏の負け惜しみというわけでもない。「誰が何を言って、何を買っているのか」「おカネの集まりの状況はどうなっているのか」が、トークン購入の判断基準になってしまいがちな現状を反映したものではないだろうか。

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