調達額300万円に落胆したベンチャーの誤算 仮想通貨使う国内初のICOが不発だったワケ

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メタモのケースからもわかるように、ICOはまだ確固としたものではなく手探りの状況で進められている。それもあって「ベンチャーなどにとって簡単におカネを生み出せる『打ち出の小槌』になっている」など、さまざまな批判が聞かれる。

だが、東京と米シリコンバレーに拠点を置くベンチャー投資育成会社・WiLの久保田雅也パートナーはICOが登場したことの意義を次のように語る。

「最近のベンチャー企業が手掛けるサービスは、ネット上のサービスやシェアリングエコノミーなど『ユーザーコミュニティ』や『ネットワーク効果』に企業価値を依存するものが増えている。

しかし企業価値の拡大に貢献している一般ユーザーには利益の還元が十分にされない一方、エンジェル投資家やベンチャーキャピタルのみが『成長の果実』を手にする不平等な状態にある。また、これまでオープンソースのソフトウェア開発はマネタイズが難しく資金調達も難しかったが、ICOであればトークンを通じて貢献したエンジニアが価値を享受できるため、協力するインセンティブが湧く。

ICOは、企業のステークホルダーたるユーザー、社員、投資家の3者の利益を一致させる画期的な仕組みだ」

「ICOが投資の民主化をもたらす」

久保田氏の発言にある「ネットワーク効果」は、平たくいうと一般の利用者や関連サービスを提供する企業が増えれば増えるほどサービスの利便性や質が向上していくというものだ。

フェイスブックなど「プラットフォーム企業の価値の源泉は一般ユーザーにある。サービスの享受者たるユーザーは、ICOを通じてトークンの保有者となり、ネットワークの価値が上がることで経済的な利益を得ることができる。「ICOが投資の民主化をもたらす」というわけだ。

規制議論が出てくるなどICOは世界的に過渡期を迎えている。久保田氏のような視点も含めて、あるべき姿を模索する段階に入っているようだ。

週刊東洋経済10月30日発売号(11月4日号)の特集は「ゼロから分かるビットコイン」です。
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