「パワハラ加害者」と自覚を持てない人たち 「まさか自分が」と皆が思っている

✎ 1〜 ✎ 79 ✎ 80 ✎ 81 ✎ 最新
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

では自身を振り返るためにはどうするか。管理職は、部下との面談や日常でのコミュニケーションを、部下に断ったうえで録音して聞きなおす習慣をもってみてはどうでしょうか。自分の態度が威圧的ではないか、相手の話をきちんと受け止めるキャッチボールができているのか、振り返るいい機会になると思います。それに、もうすでに、部下のスーツのポケットには、レコーダーがオンになって入っているかもしれないのです。振り返る機会のないまま、自覚のないままに、パワハラ加害者になってしまう可能性も否定できません。

あなたの同僚の男性管理職は自覚がないのか、実はうすうす事の重大さを感じていながらあなたには自覚していないように見せているのか、どちらかはわかりません。でも、「わかってやっているから大丈夫」というのは通用しないように思います。

とはいえ、あなたが横から仲介して、彼に心を入れ替えてもらおうというのは、あなたの言うようにおこがましいかもしれません。深刻なパワハラにつながる可能性があるのであれば、冒頭でも書いたように、速やかに上層部やコンプライアンス関連部署、人事などに報告・相談して、強制的に自覚を持ってもらったほうがいいでしょう。

被害が出てからでは遅い

告発する、あるいは告発を勧める、というのはなんとなく後ろ暗いような気分になるかもしれませんが、被害が出てからでは遅いのです。自分でなんとかしようと思わずに、勇気を持ってその女性たちとともに行動していただきたいと思います。

そして、あなた自身も他人事と思ってはいけません。部署をまたがって相談を受ける、自分は話をしやすい上司だと思っていたら大間違い。そう楽観的に構えていると、気づけばハラスメント加害者になっていた、ということもあるかもしれません。あなたには、このケースを他者の失敗から真摯に自分の言動を振り返る機会にして、管理職スキルを磨いていっていただきたいなと思います。

堂薗 稚子 ACT3代表取締役

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

どうぞの わかこ / Wakako Dozono

1969年生まれ。1992年上智大学文学部卒業後、リクルート入社。営業として多くの企業を担当し、数々の営業表彰を受ける。管理職として、多様な雇用形態の組織の立ち上げやマネジメント、『リクルートブック』『就職ジャーナル』副編集長などを経験。2004年第1子出産。2007年当時組織で最年少、女性唯一のカンパニーオフィサーに任用され、事業責任者、「リクナビ派遣」編集長を務める。2010年に第2子出産後はダイバーシティ推進マネジャーとして、社内外女性のメンターを務めつつ、ワーキングマザーで構成された営業組織の立ち上げ、マネジメントを担当し、彼女たちの活躍を現場で強く推進した。経営とともに真の女性活躍を推進したいという思いを強くし、2013年退職。株式会社ACT3設立、代表取締役。女性活躍をテーマに、講演や執筆、企業向けにコンサルティングなどを行っている。2013年2月、リクルート在籍時に東洋経済オンライン「ワーキングマザーサバイバル」連載に登場。FBのいいね!数が6000を超えるなど、話題となった。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事