「パワハラ加害者」と自覚を持てない人たち 「まさか自分が」と皆が思っている

✎ 1〜 ✎ 79 ✎ 80 ✎ 81 ✎ 最新
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

あなたが自身でなんとかしようとこの件を抱えてしまうと、本来の目的である「彼に変わってもらって職場環境を改善する」時期が遅れたり、かえってこじらせたりする可能性もあります。部下たちの心身への被害が大きくなる前に、速やかに対処するほうがベターでしょう。

パワハラやセクハラは、男女問わず誰でも加害者にも被害者にもなり得ます。パワハラやセクハラをニュースや身近で見聞きすると、「あれはひどい」「どうしてこれまで許したのか」と憤る人たちが多いのですが、そういう人たちこそ、意外に周囲からは「加害者になり得る」と思われていたりします。自分がその当事者だという自覚がもてないのです。

「受け取り手がどう感じるのか」が重要

なぜ自分の行動はハラスメントではないと思いがちなのか。本人は、「自分にはその人への愛があって、相手を思ってやっていることだから」という理屈で動いているからでしょう。本来、こうしたハラスメント関連の問題は、「自分はこういう理屈でやったことだ」「良かれと思って」ということではなく、「受け取り手がどう感じるのか」ということのほうがより重要です。管理職ともなれば研修や講習などで口酸っぱく言われて頭では理解しているはずなのに、自分のこととなるとその自覚が持てない、というケースが非常に多いように感じます。

あくまで個人的な意見ですが、私はこういう人たちが自覚を持つには、多少でもその可能性があるなら、いっそ告発を受けてパワハラ当事者として調査をされたり聴き取りを受けたりするのがいいのではないか、と思っています。実は、私自身も、自分自身や部下のマネジメントがハラスメントにあたるのではないかという指摘を受けたことがあり、調査をされたことがあります。当事者になってみると、それは、とても恐ろしくて辛い経験でした。

当初は、社内アンケートに具体的なコメントがあった、と聞いて、「あの人だって同じようにしているのに」「少し厳しく言っただけ」と言いたくなる気持ちや、「いったい、誰がそんなことを?」「私が直接やったわけではないのに」と思う気持ちは、事実としてありましたし、何もない顔で普段どおりに仕事をこなすのはとても難しく、目の前が真っ暗になったようでした。

しかし、悪気がなくて愛をもっての言動であっても、それは伝わっておらず、逆に相手に大きな苦痛を与えているのは厳然とした事実です。強い自覚をもって自分自身が変わっていく以外に、この事実を好転させる方法などありません。

たとえ人事的な処分に至らなくても、いろいろ事情があったり言い訳があったとしても、「マネジメントに問題あり」と自分で認めること、受け取り手が不快に思い懸念を感じたことをきちんと認めることが最も重要です。むしろ、問題が解決できるうちに、自分の非を突き付けられる機会を得てよかった、と思うべきだと思い至りました。

後はチャンスがあれば心から謝罪し、猛省して事態を改善していくしかありません。「管理職としての未熟さ」をとにかく噛みしめるしかないのです。

次ページ苦い経験をして、今思うこと
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事