ラグビーW杯日本大会は準備の遅れが深刻だ 総括団体からダメ出し、海外メディアは酷評

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「ラグビーW杯準備のスケジュールに遅れ」(米スポーツチャンネルESPN)

「ワールドラグビー、日本の運営側に『準備を軌道に戻すよう』伝える」(英紙テレグラフ)

「日本、2019年W杯準備の速度を上げるよう勧告受ける」(南アのSport24)

このように外国メディアには、日本大会の準備状況に黄信号を点す記事が目立った。そこで、筆者が開催2年前を機に、関係者に改めて話を聞いたところ、「ワールドラグビー側から準備状況に関し、かなり厳しい指摘を受けているのは事実」との回答が返ってきた。どこにどんな問題があるのだろうか。

W杯の統括責任者であるワールドラグビーのアラン・ギルピン・トーナメントディレクターは、「開幕2年前の状況として、われわれが期待するレベルに達していない部分がある」と準備の遅れについて懸念。特に各チームが調整のために使う公認キャンプ地について「選手がベストの成果を出すための施設として世界的水準にあるべき」としたうえで、「組織委はキャンプ地の選定作業を急がなければならない状況にあることを認識してほしい」と促している。

公認キャンプ地はどこになるのか

前回大会で南アを破った日本代表。日本人サポーターへの現地メディアの注目度がとても高かった(2015年9月、イングランド・グロースターにて)

組織委は公認キャンプ地の選定に際してグラウンド(ピッチ)に関する基準などを盛り込んだ100ページに及ぶ募集要項を作成。キャンプを誘致したい自治体はこのガイドラインに沿って準備を進め、手を挙げた。これまでに37都道府県にわたる90自治体が76カ所で立候補し、決定を心待ちにしている。

しかし、多くのキャンプ地でピッチやホテルなどの施設は「ワールドラグビーが考える水準にマッチしていないのが現状のようだ」(ある自治体の誘致担当者)という。これについて組織委は、「自治体が提案してきた構成施設の中身について現在調整を行っている状況」と説明している。

では、肝心の試合会場についてはどうなのだろうか。

イングランド大会では、試合が行われた13会場中9会場で天然芝と人工繊維を組み合わせた「ハイブリッド芝」が使われた。これを使ったフィールドは、多くの雨が降っても激しいプレーでも崩れることがないという特徴がある。一方、日本では天然芝を使うのが一般的で、時期によっては土がむき出しになってしまうところも少なくない。これについて組織委は「欧州と日本では張ってある芝が違うので、比較するにも基準が違う」と話している。

目下、国内ではノエビアスタジアム神戸を皮切りに、日産スタジアムなどでハイブリッド芝への張り替えが決まっており、W杯本番に向けて徐々に「芝が剝げたピッチ」からの脱却が図られることだろう。

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