テレビドラマから20代主演俳優が消えた理由 今秋の主演は平均44.5歳、高齢化の波極まる

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問題の元凶になっているのは、CM収入に依存している収益構造。しかも、テレビ業界の評価指標が、ほぼ視聴率のみであることが現在の苦境につながっています。もしみなさんの属している業界や企業が、「1つの収入に依存している」「評価指標が1つしかない」としたら不安を抱いてしまうでしょう。

顧客と収入が減り、新たな顧客と収入を作り出せていない。この現状を変えられないことが、連ドラ主演俳優の極端な中高年化として表れているのです。

作る人、出る人、見る人すべてが中高年化

高齢化しているのは、主演俳優や視聴ターゲットだけではありません。ドラマのスタッフは脚本家や演出家などを中心に高齢化が著しく、キャストもバイプレーヤーブームで中年の助演俳優が増える一方。実際、取材で撮影現場へ行くと、かつて若手のスタッフと俳優が発していた華やかさはなく、中年のスタッフと俳優とが醸し出すシックなムードであふれています。

現場のスタッフでは、やっと若手社員の起用を進めはじめたテレビ局もありますが、ほかの業界と比べると人材登用や世代交代の遅さは歴然。「50・60代でも管理職にはならず、現場で作り続ける」という人が多く、「育てよう」よりも「自分で作ろう」という発想なのです。

キャストでは、ジャニーズ事務所やオスカープロモーションなど、これまで多くの若手俳優を主演に送り込んできた芸能事務所の主演俳優が減っているという事実もあります。これは視聴者が「俳優にはルックスよりも演技力や演技実績を求める」傾向が強くなったことも影響しているでしょう。

テレビ番組を作る人も、出る人も、見る人も、中高年化する一方。長きにわたってエンターテインメントのトップに君臨し続けるために、目の前の売り上げを追い求め、新規顧客の獲得や若手の育成を後回しにしてきたことが、ここに来て業界や各局にダメージを与えているのです。

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