テレビドラマから20代主演俳優が消えた理由 今秋の主演は平均44.5歳、高齢化の波極まる

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かつて「ドラマ黄金期」といわれた1980年代後半から1990年代は、20代の主演俳優が主流でした。織田裕二さん、福山雅治さん、吉田栄作さん、唐沢寿明さん、江口洋介さん、木村拓哉さん、鈴木保奈美さん、中山美穂さん、山口智子さん、深津絵里さん、常盤貴子さん、和久井映見さん、松雪泰子さんなど、次々に20代のスター俳優が誕生。以降、現在までの十数年でジワジワと高齢化が進んでいたのです。

「平均年齢44.5歳」を一般企業に置き換えると、課長から部長クラスの管理職にあたり、20~30代の社員とは目線が異なるのは明らか。やはり若年層よりも、中高年層の目線で作られている様子がうかがえます。

以前のドラマ業界では考えられないほど高齢に偏っているのは、なぜなのでしょうか?

1つの収入と評価指標への依存

そのヒントは、今秋に放送されているテレビ朝日の3作に見え隠れしています。「相棒」「科捜研の女」「ドクターX」とすべてシリーズ作であり、主演はいずれもベテラン俳優。さらに、中高年層の好む刑事・医療ドラマでメインターゲットにしているのです。

テレビ朝日ほど顕著ではありませんが、他局も「30代以上の視聴者を重視する」という基本スタンスは同じ。だから30代以上の主演俳優を起用し、事件・病気・社会問題などの骨太なテーマを採用しているのです。

各局が10~20代の若年層よりも、30代以上の中高年層をターゲットにしている理由は、視聴率の獲得にほかなりません。視聴率を上げるためには、録画やネットではなくリアルタイムで見てもらうことが必須。その点、最もドラマをリアルタイムで見ているのは中高年層であり、長年にわたってしみ付いた視聴習慣も期待できるだけに、徹底して狙い撃ちしているのです。

しかし、ご想像のとおり、この戦略は正しいといえません。みなさんの属する業界や企業に置き換えて考えてください。「数年後、数十年後のことを考えずに、目の前の売り上げだけを追いかけている」「売り上げダウンを止めるための抜本的な対策を講じていない」ことがどれだけ危険かを……。業界は衰退し、企業は縮小へという近未来を想像してしまうのではないでしょうか。

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