老後に「毎年取り崩せるおカネ」はいくらか

「老後設計の基本公式」を使えば3分でわかる

また、妻が働いて見込める収入を「2つ目のお財布」として、老後設計の基本公式の分子に加算してもよいでしょうし、有期の企業年金がある場合も、やはり加算することができます。仮に、企業年金が65歳から10年間80万円ある場合、800万円を分子に加算します。

年金受給まで収入がなく資産を取り崩す際はどうする?

このように、さまざまな想定で計算を行ってみてください。

また、運用がうまくいって資産額が増えた場合は、「保有資産額(A)」にプラスし、その後の取り崩し可能額に反映させていきます。現実に資産を取り崩す額が、想定より多くなってしまったということがあれば、計算をし直します。「取り崩し可能額(d)」と「年間支出(y)」の計算は原則として毎年行うといいでしょう。

なお、この計算は、前述の「人生設計の基本公式」の場合と同様に、資産運用がインフレ率並みに行われていることを想定しています。あくまでも一般論にすぎませんが、資産の一部でリスクを取った運用を行って、インフレ率並み以上の運用を目指すといいでしょう。運用のリスクを嫌って資産の全額を普通預金に置いているような場合は、現在の支出を控えめにして、将来使うおカネの実質価値を確保するように心掛けることが必要です。

最後に、繰り返しになりますが、基礎年金、厚生年金は、受給開始年齢をなるべく繰り下げることを考えましょう。公的年金は終身で受け取ることができるので、「長生きリスク」に対応できる強力な手段です。そうなると、退職してから公的年金を受給するまで数年間は収入がなくなります。ですから、できれば働いて、貯蓄の取り崩しを減らしたいところですが、この期間に金融資産の取り崩しで凌ぐ必要がある場合は、まず、銀行預金、証券口座など税制メリットのない口座から、資産全体のバランスを見ながら取り崩します。その後、確定拠出年金、NISAの順番で取り崩すようにするといいでしょう。

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