中国航空産業を揺るがす不正部品疑惑の内幕 問題は米国にも波紋
NHJ幹部のLi Jian氏は、ムーグの内部メールやFAAの報告書が指摘しているような違反行為はなかったと話す。
「検査で彼らがこうした事案を提起することはなかった。ムーグは正式ルートでわれわれに知らせるべきだったが、そうした連絡をムーグやFAAから受けたことはない」とLi氏はロイターに語った。
ムーグは、サプライヤーとのやり取りについてはコメントしないとしている。FAAは、コメントの求めに応じなかった。
南通申海工業科技のCheng Daoguang氏は、ロイターに対し、「製造工程記録を偽造しておらず、FAAからの訪問や査察はなかった」と述べた。NHJ向けにこうした部品を製造したのは2015年2─6月だったという。
Cheng氏は、NHJやムーグから守るべき基準について明確な指示はなく、本来は焼付時間をもっと長くとるべきだったと認識したのは、2015年8月にShi氏の訪問を受けた時だったと言う。
NHJのLi氏は、南通申海工業科技の問題についてコメントしなかった。
不服
Shi氏は、ムーグから解雇された後にFAAに接触したという。ムーグ側は、この解雇は「以前から伝達していたグローバル再編」の一環で、サプライヤーの品質問題を指摘したことが原因ではないとしている。
「Shi氏は、通常の管理プロセスの中で、ムーグのサプライチェーン組織内にいる人間がすでに対応済みの内容以上のものを指摘したわけではない」と、ムーグは説明している。
Shi氏は、米労働安全衛生管理局に対し、内部告発が理由でムーグから解雇されたとして不服を申し立てたという。米国の裁判官は先月、管轄外だとして申し立てを却下した。Shi氏はそれに対し、不服の申し立てを行っている。
(Brenda Goh 翻訳:山口香子 編集:伊藤典子)
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