32歳年収600万円「貯金ゼロ」に足りないワザ 同期で同年収でも「しっかり者」は800万到達
収入が高めの人が陥りがちな落とし穴はほかにもあります。消費の判断基準を、相対的に評価してしまうという点です。
これはどういうことでしょうか。国税庁の行った平成27年分民間給与実態統計調査によると、給与所得者の平均給与は420万円です。こうした平均データをみて、自分は600万円台だから平均の1.5倍の収入があるから、平均よりも1.5倍くらい使える、と見積もってしまう人も意外と多いのです。
自分で「自分の身の丈」を間違ってはいけない
多くの人が知っているように、日本は収入が高いと税率が上がる累進課税制度を採っています。「平均より収入が1.5倍だからといって手取りも1.5倍」とはなりません。収入が高いと所得制限で受けられない助成金なども多いのです。
たとえば、「一般的な収入よりも高いのだから、大きな自宅を買って、車も買って、子どもを私立に通わせても何とかなるはず」、と粗く見積もりがちです。私はこうした現象を「身の丈の見誤り」と呼んでいます。他人との相対的な評価では、本当にわが家の家計にとってその選択が妥当なのかは読めないのです。
もし、年収が近い会社の同僚が家や車を持った場合でも、親の援助や、昔からの貯蓄習慣の有無などもあるわけで、年収だけでは推し量れない家計の要素がたくさんあります。
もちろん、相対的な評価でざっくり「おカネはこれくらいかかりそう」と「相場をつかむ」ことは悪くありません。しかし、大きな支出を伴う判断をするときには、それを払い続けられるのか、「わが家の場合、将来の返済計画や貯蓄推移はどうなるのか」を整理してみることが大切です。
前述したとおり、おカネに関心があることを他人に示すだけで、集まる情報は増え、貯めようと決めるだけで貯蓄は伸び、相対判断ではなく、「自分としての判断」をするだけで無理な消費を抑えることができます。気持ちや視点のスイッチだけで生まれる変化があるのです。
すべてを一気に心掛けるのではなく、まずはできそうなことを1つだけ取り入れて、やってみてください。ひとつの習慣が当たり前になった頃、新たな習慣を増やす。こうやっていけば、5年経てば、5年前の自分よりもうんとおカネの面でスキルアップできます。「やってもいい」と思える習慣から試していけると、無理なく続けられそうですね。
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