焦るマイクロソフト、ノキア併呑で得るもの 社員や工場が重荷。減損リスクも
賭けに失敗したノキア
ノキアは2011年まで携帯電話端末で世界首位だった。07年のアップルのアイフォーン誕生から始まるスマホシフトの流れに乗り遅れ、スマホが伸びていく過程で、得意としていた従来型端末の販売台数が落ち込み、みるみるシェアを喪失。スマホを含む携帯電話のシェアは現在2位だが、スマホだけで見ればトップ3は韓国サムスン電子、米アップル、韓国LGエレクトロニクスだ。ファーウェイ、ZTE、レノボの中国3社、ソニーが争う4位集団にも食い込めておらず、5位集団のうちの1社だ。
ノキアとて手をこまぬいていたわけではない。10年9月には初の外国人CEOとして、マイクロソフト幹部のスティーブン・エロップ氏を招き、年明けにはマイクロソフトと提携。自社OSを捨て、ウィンドウズフォンに賭けた。
しかし、グーグルの「アンドロイドOS」が急速にシェアを拡大していく中、ウィンドウズフォンはニッチ端末に沈んだ。結果的にマイクロソフトとの提携は、ノキアを救うどころか、窮地に追いやった。その骨を拾ったのがマイクロソフトだった、というわけだ。
今後、ノキアは通信インフラ事業に専念する。7月にはシーメンスとの合弁会社の100%子会社化を発表。過去に買収したモトローラの通信インフラ部門も合わせ、インフラ事業では着実な収益を上げていくことも可能だ。今回の事業売却によって、マイクロソフトからはノキアブランドの使用料収入も入ってくる。
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