東大「野球だけじゃない」ゴルフ部快挙の理由 卒業時にスコア70台目標、大学ゴルフの効用

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ほとんど初心者で入ってくるが「目標は卒業までに70台」という。「70台、80台で回れたら、その後のゴルフが楽しいでしょう。彼ら、彼女らは世の中でこれからいろいろなことを成し遂げていくでしょう。その中に、アマチュアゴルフの歴史をつないでいく役割があると思うので、ゴルフを好きになってもらいたい」と、井上監督は話す。確かに戦前からゴルフをつないできているのは大学ゴルフでもある。

9月5日(火)、6日(水)にこだまゴルフクラブで行われた平成29年度関東女子秋季Dブロック対抗戦でも優勝しCブロックへ昇格した(写真:東京大学ゴルフ部)

女子の岡見菜生子主将(肩書は前、以下同=工学部4年)は入部したときは130ぐらいだったという。「2年生の夏に100を切り、3年生の春に90を切りました。ベストスコアは83。優勝は実力以上だったと思います(笑)。井上コーチ(当時)に不調になったときの立て直し方を教わってよくなった」という。

男子の山野俊樹主将(工学部4年)は父も東大ゴルフ部。ゴルフの心得はあったが「入学時は110ぐらい。いまベストは76です」という。伸びた理由は何か。「今まで試合前とかも適当にやっていましたが、井上コーチのおかげでスイング分析をしたり、コースの分析をしたり、準備ができるようになった」(山野男子主将)。

ゴルフ場とウィン・ウィンの仕組みを作った

昨年春の対抗戦ではチームの平均スコアは100だったが、今年の秋は88になっている。近藤卓司主務(経済学部4年)は「井上コーチに来ていただいてから、練習環境が改善されたのが大きいと思います」という。

それまで練習やラウンドもできたりできなかったりであった。井上監督の紹介で、神奈川の名門、程ケ谷CCに土日にまとまった人数でキャディーのアルバイトに入る約束で、平日は業務後のラウンドを自由にできるようになった。ゴルフ場も今はキャディーが不足しているので、双方に利益がある。練習にも真剣みが出てきて、一般の練習場に「団体割引にしていただけるように自分たちで交渉した」(近藤主務)と週2回、安く練習できるようにした。

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