「赤信号を平気で渡る老人」への大きな誤解 「老人の困った行動」はボケが原因と限らない

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こうした高齢者を相手にする犯罪が後を絶ちません。高額を請求するビジネスの多くは、老人以上に老人のことを徹底的に勉強して詳しく知っていますから、「自分はだまされないから平気」とタカをくくるのは非常に危険です。

解決策としては、「電話は留守電モードにして、必要な用件だけかけなおす」「高額商品やサービスは、支払う前に家族に相談する」「アダルトサイトの高額請求など家族に相談しにくい案件は、消費者センターに相談する」などが挙げられます。

「認知症」や「頑固な性格」が原因だと決めつけるのは危険

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ほかにも、よくある老人の困った行動は多数あります。「同じ話を何度もする」「自分の家の中など、『えっ、そこで!?』と思うような場所でよく転ぶ」、あるいは「せっかく作った手料理にしょうゆやソースをドボドボとかける」「『私なんていても邪魔でしょ?』など、ネガティブな発言ばかりする」「実の息子の話は聞くけど、自分は無視される」など、「嫁・姑問題」にありがちなことまで、多岐にわたります。

ただ、医学的によく調べると老化による体の変化が原因であることが非常に多くなっています。

「認知症」や「頑固な性格」と決めつけては、何も始まりません。何が原因だと予想されるのか、それを踏まえてどうすれば少しでも状況が改善されるのかを考えていくことが重要です。老いて困った行動をする親などを持つ方も、これから高齢になっていくことに不安を抱えている方も、すでに高齢になっている方も、そのことを意識することが大事です。

高齢者とかかわる職業の方も知っておくべきことです。医療や介護の業界が主かもしれませんが、シニア層にも向けたビジネスでしたらすべてが関係します。営業、接客業をはじめ、商品開発の方も含めまして、社会人のほとんどの方が該当するでしょう。

先ほど挙げた事例が、あらゆる老化による体の変化を知るヒントになれば幸いです。

平松 類 眼科医/医学博士

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ひらまつ るい / Rui Hiramatsu

愛知県田原市生まれ。昭和大学医学部卒業。現在、昭和大学兼任講師、彩の国東大宮メディカルセンター眼科部長、三友堂病院非常勤医師・眼科専門医・緑内障手術機器トラベクトーム指導医として勤務している。延べ10万人以上の老人と接してきており、老人患者が多い病院の眼科医として勤務してきたことから、老人の症状や悩みに精通している。医療コミュニケーションの研究にも従事し、シニア世代の新しい生き方を提唱する新老人の会の会員でもある。専門知識がなくてもわかる歯切れのよい解説が好評で、連日メディアの出演が絶えない。

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