定年して「暴走老人」にならないための5原則 年を取ったらおカネよりも大事なことがある
高齢者の傷害・暴行犯は、20年前の20倍に激増
「老後の三大不安」と言われるのが「病気」「貧困」「孤独」です。
この3つの中で、万人に共通する最大の関心事は「病気」でしょう。誰にとっても、何をするにしても健康であることは大切ですから、これについて高い関心があるのは当然です。
次に、貧困の問題ですが、長生きするのはいいけれど、それによっておカネが無くなる不安を、多くの人が持っています。マスコミ等でも悲惨な老後を送っている人の現実を見せられると、誰もが強い関心を持たざるをえません。
ところが、意外と深刻に考えていないのが、三番目の「孤独」の問題です。なぜなら、サラリーマンの現役世代の人々は毎日のように会社に通い、多くの人と交わる機会があります。また、家族や友人もいる人が大半のため、孤独を感じることはあまりないからです。ところが、定年退職した後に一番深刻になるのがこの問題なのです。齢を取ってからの「孤独」がいったいどういう事態を引き起こすのか、考えてみましょう。
2016年11月に発表された平成28年版の『犯罪白書』を見ると、犯罪全体の件数は減少傾向にあります。刑法犯の認知件数は、戦後最多だった2002(平成14)年をピークに13年連続で減少、 2015年は戦後最少を記録しています(前年比9.4%減)。
これはピークの2002年から見ると、4割弱の件数です。ところが、全体件数は減っているものの、なんと65歳以上の高齢者の犯罪は一貫して増え続けています。高齢者の犯罪検挙者数は約4万8000人で、20年前の平成8年に比べると3.8倍となっています。中でも大きく増えているのは「傷害・暴行犯」で、こちらは20年前に比べると20倍に増えているのです。高齢者自体が増えているのは確かですが、それにしても暴行犯が20倍に増えているというのはちょっと異常です。
確かに「キレやすい老人」が増えているのは実感します。最近、人身事故などによる列車の遅延がよく起きていますが、駅のホームで「いつ運転を再開するのか!!」などと、駅員に食って掛かったりしているのは若い人よりも、むしろ年配の人のほうが多いように思えます。
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