時価総額1.3兆円、絶好調ネクソンの「稼ぐ力」 海外をどう攻め、日本市場をどう立て直すか
どうして超ロングヒット作を出せるのか?
――2008年に配信してから約9年が経つ中国の「アラド戦記」が今でも業績を牽引している。日本ではあまりなじみのないゲームだが、どのような魅力があるのか。
「アラド戦記」は多数のプレーヤーが同時に参加するアクションRPGで、グラフィックはシンプルながら深みのある戦闘がゲームの魅力だ。
1回の戦闘で終わりではなく、どのようにキャラクターを動かしていくか、という戦略が重要なゲーム設計になっている。また、長年にわたってコンテンツを追加し続けてきたため、ゲーム内でできることがほかのゲームよりも多い。
ただし、成功の秘訣として特定の要素を挙げることは難しい。ゲームのコンテンツはマップやキャラクター、アイテムなど多様な要素が複雑に絡み合っているからだ。今後も人気を継続していくためには、ユーザーの要望をつねに聞き続け、スピード感を持ってアップデートし続けることが大切になる。
――アラド戦記以外にも2003年配信の「メイプルストーリー」、「マビノギ」などの長寿タイトルが収益を支えている。
既存ゲームを運用する大規模な専門チームを持っていることがネクソンの強みだ。そこで中国や韓国、日本のニーズを吸収し、ゲームの改善を進めている。中でも重視していることは、ゲーム内に擬似的な世界を作り出すことだ。
オンラインゲームは多くのユーザーが同じゲーム空間に集い、コミュニティの形成やアイテム売買が行われる。それに伴い、ゲーム内で経済や政治が発達し、現実と同じような世界が形成される。短期的な売り上げを追わず、ゲーム内の世界を楽しいものにすることが長期的な人気につながると考えている。
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