37年ぶりV2の広島カープ、今年も勝てた理由

前田、黒田が去っても連覇できたのはなぜか

そして4番は23歳の鈴木誠也。40歳の新井貴浩に代わって4月11日の巨人戦(東京ドーム)から広島68代目の4番に座り、打率3割ちょうど、26本塁打、90打点をマークした。

8月23日のDeNA戦(横浜)で右中間の飛球をジャンプして捕り、着地した際に右足首を痛めた。右脛骨内果剥離骨折、三角靱帯損傷で全治3カ月の重傷。その穴は32歳の松山竜平がしっかり埋めた。17試合4番に座り、62打数27安打、打率4割3分5厘、4本塁打、20打点。代役というのが失礼なような成績である。

タナキクマルと同学年で28歳の安部友裕も正三塁手の座をつかんで打率3割9厘をマーク。ドミニカ共和国のカープアカデミー出身で昨年、育成選手として入団したバティスタもブレークした。6月2日に支配下選手登録されると初打席から2打席連続本塁打。優勝を決めた一戦では2―2の8回1死一、二塁から決勝の左前タイムリーを放った。

控えに回った「新井さん」も97試合に出場して2割8分8厘、9本塁打、46打点。7月7日のヤクルト戦(神宮)では代打で逆転3ランを放って存在感を示した。

1980年の打線で不動のスポットは38盗塁で2年連続盗塁王に輝いた1番・高橋慶彦と、44本塁打、112打点で2冠の4番・山本浩二、そして7番・デュプリー。衣笠はライトルや水谷実雄との兼ね合いで2番、3番、5番、6番と打順が動いた。

カープ打線には安定感がある

上位打線が足を絡めてチャンスをつくり、中軸で還すという攻撃パターンは同じだが、打線の安定感、選手層の厚さという点では今年の方が上回る。

一方、投手陣は1980年も今年も突出していたわけではない。前回のチーム防御率3・37は巨人2・95、ヤクルト3・17の後塵を拝するリーグ3位。今年も今のところ3・37で3・27の巨人を上に見る2位だ。

今年は昨年までともに4勝しかしていない25歳の藪田和樹が14勝、23歳の岡田明丈が12勝。26歳の大瀬良大地、九里亜蓮がともに9勝を挙げている。未勝利だった22歳の中村祐太も4勝している。

いずれも「男気」黒田博樹の背中を見て育ってきた若手が、昨季10勝を挙げた黒田の穴ばかりか、昨季15勝で沢村賞に選ばれながら目下6勝のジョンソン、同じく16勝で最多勝に輝いた野村祐輔が9勝止まりというマイナス分まで埋めたのである。

リリーフ陣も調子が上がらない中崎翔太の代わりに抑えを務めた今村猛をはじめ一岡竜司、中田廉、ジャクソンらが頑張った。

5月6日の阪神戦(甲子園)では9―0から逆転負けを食らい、8月22日からのDeNA3連戦(横浜)では3試合連続のサヨナラ負け…。ショックが尾を引きがちな敗戦もチーム一丸となって克服した。

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