「問題の棚上げ」が合理的と考えられる場合

「先送り」の意味:勝者と敗者のインセンティブは食い違う

締め切り前の大慌て、そこから考えてみた

著者:安田洋祐(経済学者、政策研究大学院大学助教授) 撮影:尾形文繁

人は、好きなこと・楽しいことを早めにしたくなる一方、嫌なこと・苦しいことはついつい先送りしてしまうものだ。

たとえば、夏休みの宿題を、ギリギリまで手つかずで残してしまうように。かく言う私もその一人で、締め切り前にさっさと仕事を片付けてしまう、ということは、今でもまずない……。

夏休みの宿題や原稿執筆のように、「必ずやり遂げなければいけない期日」が設定されている場合、それを超える先送りはできない。

可能な場合もあるかもしれないが、罰や悪評など、ほかの問題が発生するので、あまり現実的ではないだろう。

いったん締め切りが決まると、どんなに嫌な作業や結果が待っているとしても、どこかで腹をくくらなければいけない。先送りには限界があるのだ。

では、期日が定まっていない場合はどうだろうか。

もし罰などのペナルティが発生しないのであれば、嫌なことはできるだけ先送りにするのがベストになる。

次ページ今日こそは、今月こそは、今年こそは……?
キャリア・教育の人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • ほしいのは「つかれない家族」
  • 日本資本主義の父 渋沢栄一とは何者か
  • ボクらは「貧困強制社会」を生きている
  • 日本野球の今そこにある危機
トレンドライブラリーAD
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
世界の投資マネーが殺到<br>沸騰! 医療テックベンチャー

2020年に世界の医療関連ベンチャーの調達額は465億ドルと過去最高を記録。10年間で5倍に膨張し、米グーグルやアマゾン、アップル、さらには中国の巨大IT企業もこぞって進出中です。国内の有望スタートアップ21社も掲載した必読の最新ガイド。

東洋経済education×ICT