40代で育児を始めた人を襲う「不幸感」の実際

20代での育児と「親ペナルティ」はどう違う?

児童手当も大きな支えです。月1.5万円(3歳以上は月1万円)を中学校卒業まで市区町村から受けられます〔ただし、これは年収が高い夫婦については減額(月5000円)されることに留意が必要です〕。

つまり、少なめに概算しても1人当たり1500万円以上は公的な支援を受けて私たちは子育てをしています。ケースによっては2000万円に達することも少なくないはずです。

ただし、すべての子育て費用が公的支出で賄えるわけではもちろんありません。子育てによる経済的な「損」としては、自己負担ベースで2000万円以上は負担がかかることも事実です。内閣府のインターネットによる子育て費用に関する調査では、未就学児年104万円、小学校年115万円、中学校年156万円が食費や日用品等の出費にかかるとしています。うち、年間16万~20万円が将来への貯蓄ですが、これを勘案しても15歳までに1500万円はかかっています。

高校と大学は、学費だけでも合計で975万円弱かかるとされており(日本政策金融公庫 教育費負担の実態調査)、この間の食費や小遣い、被服費などを考えれば1300万~1500万円はかかると考えられます。

簡単に言い切れば「子育ては社会から2000万円もらえるかもしれないが、自己負担も2000万円あるプロセス」といえます。

当然ながら、子育てによる支出増は、自分たちが何かを自由に行う金銭的余裕の減そのものです。子どもが1人いれば年100万円は自分たちに使える予算が減ります。男性正社員の生涯賃金を考えれば、子育てをしながら自分たちのための予算を確保する余裕はありません。子どもの誕生により、美味しい食事や旅行、趣味に使うおカネなど、何らかの幸福を買う資金は減少します。

こうして投入した子育てへのコストが、将来的に「リターン」として帰ってくることを期待できるかというと、ほとんど不可能であることは覚悟しておくべきでしょう。自分の老後に、子どもが自分に対して仕送りしてくれる未来はほとんどありません(あなたも、自分の親に仕送りはほとんどできていないはずです)。それを前提に「子を育てることによって失う幸福、得られる幸福」は考えなければならないといえます。

神楽坂での美食→ファミレスでも不満はない

こうした前提を頭に入れたうえで、改めて「40代の親ペナルティ」について、40代で子どもをもった当事者の私としての考えを述べたいと思います。結論を先に言えば、私はあまり「親ペナルティ」を感じていません。むしろ、その逆です。

私は、30代をDINKS(共働きで子どものいない夫婦)として、ややプレミアムな旅行を楽しみ、やや予算オーバーな食事やお酒も楽しみながら過ごしました。ただ、そのうちDINKSのライフスタイルに飽きてきました。

そこで授かった子どもだったので、子育て生活には新鮮な楽しみがあります。今は、神楽坂での酒や美食を楽しむのは10年後くらいまでお預けでもいいかな、というくらいの気持ちです。むしろ、子どもが育ってきて少しずつファミレス以外の味を教えていくプロセスが楽しみです。また、経済的な余裕がない20代で親になるのとは異なり、ある程度の余裕をもって子育てできるのは悪くないと考えています。

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