ソラコム社長、KDDIへの株譲渡の真相を語る 世界規模のIoT企業になる、そのために選んだ
ソラコムはベンチャーながら、名だたる投資会社や企業から巨額資金を集めてきた。
出資者は投資会社のスパークス・グループが運営する未来創生ファンド(スパークスのほかトヨタ自動車、三井住友銀行が出資)や総合商社大手の三井物産、シンガポールの投資会社・テマセクホールディングス傘下のパビリオンキャピタル、LINEなどが主要投資家のインフィニティ・ベンチャー・パートナーズ、gumiなどに投資するwiLなどだ。これらの出資者は、ソラコム株をKDDIにすべて売却するとみられている。
KDDI子会社になっても「全速力で開発する」
玉川社長が起業した背景には熱い思いがある。IoTの通信プラットフォームをクラウド上で構築・提供できれば、IoTの通信料は劇的に下げられる。そうすれば初期投資が軽くなり、中小企業でも気軽にIoTビジネスを始められるようになる。最新のテクノロジーを誰でも利用できるようにしよう。そんな思いがあった。
創業の地は東京・二子玉川の雑居ビル。入り口が狭くて薄暗く、ほかのメンバーは「こんなところで開発するのか」と愕然としたという。だが、そこから1年ほどで最も注目を集めるベンチャーのひとつに急成長した。
基本料金は1日10円。複数のSIMをウェブ上で一括管理できる手軽さが受け、顧客数はサービス開始1年で3000社を超え、現在は7000社を突破している。玉川社長の下、「全速力で駆け抜けろ」を合言葉に次々と新サービスを開発し、料金を値下げし、顧客に還元してきた。
KDDIの傘下に入り、目標はどう変わるのか。玉川社長は「日本発のグローバルなIoTプラットフォームになる。この目標はKDDIの子会社になった後も変わらないし、全速力でサービスを開発し続けることも変わらない」と目を輝かせる。「日本ではあと2年半、海外ではもう少しかかるかもしれないが、ソラコムは必ず、世界のIoT通信プラットフォームになる」。
新進気鋭のベンチャーのビジョンは微塵も曇っていない。KDDIとのタッグでIoTにおける覇権を握ることができるのか。世界を見据えた挑戦は新たな局面を迎える。
KDDIの株価・業績 は「四季報オンライン」で
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら