進まない日本のIoTには「価格破壊」が必要だ

通信ベンチャー・ソラコムが値下げで攻勢

玉川社長は東京大学卒業後、IBM基礎研究所に入所。AWSを経てソラコムを設立した(撮影:梅谷秀司)

高い話題性の割には市場が拡大していないと言われる日本のIoT(モノのインターネット)。IoTとはセンサーなど、さまざまな機器をネットにつなげることで、新たなビジネスの創出が期待されている分野だ。

だが、日本では通信料金の高さがネックとなり、「導入したくてもできない」と二の足を踏む企業が多いのが実情だ。

IoTの裾野を広げられるか

そこに風穴を開けようとしているのが通信ベンチャーのソラコムだ。IoT向けに特化したSIM(通信に必要なカード)を提供し、世界展開もしている。

5月中旬、ソラコムが打ち出したのが通信料金の大幅値下げだった。これまで月額300円だったデータ通信サービスの基本料金を85%引きの同45円にし導入しやすくした。通信料は1キロバイトごとの完全従量課金だ。「ソラコムは確かに安いがもう一声、というニーズに応えた」(玉川憲社長)。

たとえば、雪崩やトンネル崩壊など緊急時にのみ送信する「アラート送信」の場合、送信がない月は45円。15分に1回、自動車や人からGPSデータを送る「動態管理」なら同77円だ。

玉川社長は潜在需要の大きさを指摘する。「何千台もの営業車、何万人の保険営業マンなどの動態管理のほか、自動販売機や踏切の稼働状況の把握など『送信量は少ないが、使うSIMの枚数は大量』という用途は幅広くある」。

次ページ元アマゾンの創業社長
ビジネスの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 最新の週刊東洋経済
  • 新型コロナ、長期戦の混沌
  • 「お金で損しない」森永康平のマネーリテラシー講座
  • 世相をリアルに映し出す 流転タクシー
トレンドライブラリーAD
人気の動画
ANAとJAL、国内線で競り合う復活レースの熾烈
ANAとJAL、国内線で競り合う復活レースの熾烈
富裕層、世代でまったく異なる「お金の使い方」
富裕層、世代でまったく異なる「お金の使い方」
サイゼリヤが「深夜営業廃止」を決断した裏側
サイゼリヤが「深夜営業廃止」を決断した裏側
話題の「30分で絵を描く」秘訣、驚くほど簡単4手順
話題の「30分で絵を描く」秘訣、驚くほど簡単4手順
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
メタバース革命が始まる<br>全解明 暗号資産&NFT

不正流出事件から4年。復活不可能に見えたビットコイン相場は米国主導で活況を取り戻しました。暗号資産を使ったNFTの購入、そしてNFT取引が広がるメタバースにもビジネスの機会が広がっています。日本は暗号資産とどう向き合うのでしょうか。

東洋経済education×ICT