世界で戦う「商品ラベル」を作る老舗の正体 ラベル1枚に印刷技術の粋が詰まっていた!

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商品をアピールする縁の下の力持ち、ラベル・シールを作るシモクニ。創業から96年、常に技術革新をし続け、世界からの評価も高い(写真:シモクニ提供)

「ぶっかけ特盛りそば」「天然活〆」「表示価格より30円引き」――。

お店に行くと、目に飛び込んでくる色とりどりの商品ラベル・シール。“無言のセールスマン”とも言われ、商品の内容・品質・商標などを表示するとともに、その魅力を引き出して消費者に伝達する役割を担う。決して目立つ存在ではないが、なくてはならない存在だ。

創業96年目、ラベル・シールの老舗「シモクニ」

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日本におけるラベル・シールの歴史は古く、大正元年にまでさかのぼる。その草創期である1921年(大正10年)に創業したシモクニ(北海道・札幌市)だ。創業社長が開拓した、シール印刷を主体とした特殊印刷を3代にわたり継承。伝統にあぐらをかくことなく、現在もなお新しい技術を追求している。

シモクニの作るラベル・シールは、国内外から高い評価を受けている。全日本シール印刷協同組合連合会の「シールラベルコンテスト」ではこれまで複数回の受賞を重ね、2015年には、コーヒー豆の袋に貼るラベル・シールで同コンテストの最高賞、経済産業大臣賞を受賞した。さらに、世界ラベルコンテストにおいても、2000年、2012年(2部門)、2014年と4作品が部門別グランプリを受賞している。

ラベルコンテストで最高賞を受賞したコーヒー豆のラベル(筆者撮影)

いったい、何がすごいのか。たとえば経済産業大臣賞を受賞したコーヒー豆のシールを例に挙げてみよう。

同シールには、原価を引き上げる箔やホログラム原紙を使用せずに、高級感を出すための工夫が詰めこまれている。コーヒーカップの図柄の上にデザインされた花、椰子の木、ロゴの部分は、光の当たり方によって反射の仕方が微妙に変化し、ホログラムのようだが、実際には使われていない。これは、同社が現在特許出願中の「疑似ホログラム印刷」により表現されているものだ。シモクニは、こうしたオリジナルのアイデア製品を多数展開している。

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