先入観と全く違う「東京の地下鉄」本当の深さ 大江戸線より銀座線のほうが海抜では低い

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大ざっぱにいえば、山手線より東側の駅はすべての地下鉄駅が海抜ゼロm以下か満潮時・高潮時水位(海抜2m程度)以下。山手線の内側東半分に位置する地下鉄駅は多くが海抜ゼロm程度(あるいは以下)、西半分では上記の駅などが海抜ゼロm程度(あるいは以下)だった。

以下に東京メトロ、都営地下鉄各線ごとの海抜ゼロm程度以下の駅をすべて示した。また路線ごとに海抜ゼロm程度以下の駅がどの程度あるか比率も計算してみた。たとえば日比谷線は中目黒―北千住間全21駅のうち16駅が海抜ゼロm程度以下なので、率を76%と表記している(赤坂見附駅は、ホーム2面のうちの1面が海抜ゼロm程度以下なので、0.5駅で換算)。

大深度の「大江戸線」は意外にも深くない

海面以下(海抜ゼロm程度以下)の駅の比率が最も多かったのは、銀座線と日比谷線で76%、次に浅草線で75%、半蔵門線、新宿線72%と続く。

上位3路線(銀座線、日比谷線、浅草線)にランク入りしたのは、意外なことに早くに造られたため大深度区間がない路線だった。もともと標高が低い下町を走る部分が長いためである。一方、4位の新宿線は大深度区間が長く、かつ下町部分を多く走る。同率4位の半蔵門線は大深度区間が長い。大深度地下鉄の代名詞のような大江戸線での「駅の海面下率」53%と低いのは、山手線の内側から外側へと標高の高い台地上を走る区間が多いことによる。

地上の凸凹を散歩したり車窓を眺めたりしながら、それにまつわるウンチク話に関心を抱く人が多くなった。地上で行われている興味深いことの一端を、地下でも行ってみた結果である。

内田 宗治 フリーライター、地形散歩ライター

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うちだ むねはる / Muneharu Uchida

主な著書に、『地形と歴史で読み解く 鉄道と街道の深い関係 東京周辺』(実業之日本社)、『外国人が見た日本 「誤解」と「再発見」の観光150年史』(中公新書)、『関東大震災と鉄道』(新潮社)など多数。外国人の日本旅行、地震・津波・洪水と鉄道防災のジャンルでも活動中。

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