中国・インドの国境紛争、じわり再燃していた ブータン西部のドクラム高地でにらみ合い
[ニューデリー 8日 ロイター] - インドと中国の両軍が、国境地帯で7週間にわたり対峙している。関係筋2人によると、解決に向けた対話は決裂し、インド政府による外交努力は行き詰まりを見せている。一方、中国の国営メディアは「報復は避けられない」と喧伝(けんでん)している。
ブータン西部の係争地ドクラム高地で摩擦
舞台となっているのは、インドの北東部シッキム州に近いブータン西部の係争地ドクラム高地で、中国とも国境を接している。
中国側の説明によると、6月初旬にインド軍が境界を越えて中国領に入り、中国の道路建設作業を妨害した。それ以降、インド陸軍と中国の人民解放軍が対峙を続けている。
中国は、中国とインドの同盟国であるブータンが領有権を主張するドクラム高地から、インドが軍を撤退させるよう要求している。
だが、インドが対話のなかで、見返りに中国に軍を250メートル後退させるよう提案したのに対し、中国は返答しなかったと、インドのモディ政権に近い関係筋は明らかにした。
中国は、水面下で行っていた外交戦略のなかで、政府高官から許可が得られるのであれば、100メートル後退するという案を持ち出して対抗した。
しかし、中国がドンランと呼ぶ同地域において、緊張激化の警告を強めていることを除いては、対話が再開されるという兆しはない。