中国・インドの国境紛争、じわり再燃していた ブータン西部のドクラム高地でにらみ合い
「今回の対立にハッピーエンドはないだろう」と、インド外交政策の専門家であるC・ラジャ・モハン氏は印紙インディアン・エクスプレスでこのように指摘。インドが屈する可能性は低いとの見方を示した。
前出の2人目の関係筋は、来月に中国で開催されるBRICS(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカの新興5カ国)首脳会議に影響する可能性への懸念を示した。
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インド軍当局者の話では、海抜3000メートルのドクラム高地で2カ月近く続いている、約300人の兵士がわずか100メートル離れた場所で対立している状況において、両軍ともに兵士増強はないという。
だが中国は、インドが部隊を集結させていると非難。国営メディアは1962年の中印国境紛争での敗北よりもひどい結末が待っていると警告している。
「われわれは問題を解決するため、中国と向き合っている。戦争では問題を解決できない」と、インドのスワラジ外相は議会でこう述べ、融和姿勢を改めて示した。
一方で、両国とも軍事力を誇示している。
中国は先月、にらみ合いが続くドクラム高地に近いチベット高原で実弾演習を実施したと、国営メディアは報じた。
一方、インド軍も、ドクラム高地からは遠く離れているものの、過去に係争が勃発したヒマラヤ山脈西部ラダック地方で、ひっそりと軍事演習を行った。
「衝突する可能性は低い。習近平氏が(今秋の)共産党大会前に戦争を始めるとは、誰も予想していない」と、インド首都ニューデリーにあるジャワハルラール・ネルー大学の中国専門家、スリカンス・コンダパリ氏は、習氏が党総書記2期目を承認されるとみられている5年に一度の党大会(10─11月)に言及しながら、このように指摘した。
(Sanjeev Miglani記者 翻訳:伊藤典子 編集:山口香子)
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