8月11日「山の日」とは一体何をする日なのか

地元の里山に1時間出掛けるだけでいい

国民の祝日に関する法律の第2条には、山の日が以下のように定義されています。

「山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝する」

山の日協議会では、官公庁・民間団体、企業、大学などの研究機関と連携しながら、山の日に絡めたさまざまな取り組みを行っており、2016年には、協議会がかかわる関連イベントが全国54カ所で行われました。

ただ、日頃登山とは縁遠い人にとって、こうしたイベントに参加したり、ましてや山の日だからといって、いきなり登山関連のイベントに参加したり、実際に山に登ったり、というのはなかなかハードルが高いことです。いったい、どのように親しんでいけばいいのでしょうか。

「推し山」をつくると、山への愛着はぐんと深まる

登山家・山岳ガイドで、ネパール・ヒマラヤ、キャシャール峰 (6767m)南ピラーに初登攀(とうはん)した花谷泰広氏は、まずは「山の入り口」に立ってもらうアイデアが必要、と言います。

「山に登るきっかけをつくることが大切です。一般の人にとって、登山のハードルはとても高い。道具をそろえて、山を知っている人からその作法を教わって、体力もつけて……と、準備が多いイメージですよね。でも、山は本来もっと身近なものなんです。

初めは、スニーカーを履いて、遊びに行く感覚で、近所の里山に行くだけで十分、と語る登山家・山岳ガイドの花谷泰広氏(筆者提供)

そもそも、日本は里山だらけ。いきなり富士山とか北アルプスとかではなく、近所の里山に1時間くらい行くだけでも楽しめる。スニーカーを履いて遊びに行く感覚で十分です」(花谷氏)

こうして山に慣れてきたら、「推し山」をつくっておくと、山への愛着が一層深まると言います。「自分の心の拠り所になるような『ホームマウンテン』があれば楽しいと思います。同じ山を何度も楽しみながら『この山いいよ』と、口コミもしたくなる」(花谷氏)。

若手起業家で、登山者用地図アプリの開発で注目を集めるYAMAP代表の春山慶彦氏は、山には都会では得られない「発想の源泉」があるとも指摘します。

「都会の中で忙しさに追われていると、自分にとって何が大切なのか、見失うときがあります。そんなとき、私は山へ行き、無心になって歩くよう心掛けています。一歩一歩の歩みに集中し、山の中を歩いていると、自分にとって大切なことや、今すべきことが何なのかが、見えてきます。大事な経営判断をするときも、山歩きは有用です」(春山氏)

登山やハイキングといった野外活動は、健康維持や健康増進だけでなく、リラックス、ストレス軽減になるなど、心理的な効果があることも学術的に実証されてきました。これが、ビジネスに予想外の効果をもたらすかもしれません。普段登山をしない人でも、今日ばかりは山に思いを馳せてみてもいいかもしれません。

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