ソフトバンクグループ4−6月営業益は50%増 エヌビディア評価益などが利益を押し上げ

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 8月7日、ソフトバンクグループが発表した2017年4─6月期連結決算(国際会計基準)は営業利益が前年比50.1%増の4792億円となった。米スプリントの回復やソフトバンクビジョンファンド(SVF)関連でエヌビディアの評価益などが利益を押し上げた。写真は都内で7月撮影(2017年 ロイター/Issei Kato)

[東京 7日 ロイター] - ソフトバンクグループ<9984.T>が発表した2017年4─6月期連結決算(国際会計基準)は営業利益が前年比50.1%増の4792億円となった。米スプリント<S.N>の回復に加え、今期から連結対象となったソフトバンクビジョンファンドも利益を押し上げた。

会見した孫正義社長は「ビジョンファンドはあくまで投資とそのリターンなので、業績を予想するのは難しい」としながらも「順調にいけば毎年数千億円前後の収益増加に貢献するのではないか」との見通しを示した。

4─6月期のビジョンファンド関連の営業利益(セグメント利益)は1052億円だった。エヌビディア<NVDA.O>の評価益が貢献した。ビジョンファンドを除いた営業利益は前年比17.2%増の3740億円だった。

売上高は前年比2.8%増の2兆1860億円に拡大した。国内通信は減収となったが、堅調な米スプリントやヤフー<4689.T>がカバーした。

孫社長は米スプリントについて「単独で成長することも十分可能だが、更なるスプリントの価値増大を考え、複数の選択肢の事業統合を検討している」と説明。「交渉は1歩1歩進んでおり、近い将来意思決定できるのではないか」との見通しを示した。ただ、具体的な統合相手などについては「再編は近くなればなるほどコメントすべきではない」として言及を避けた。

市場では統合相手としてケーブルテレビ(CATV)大手のチャーター・コミュニケーションズ<CHTR.O>や米携帯電話3位のTモバイルUS<TMUS.O>の名が取り沙汰されている。

最終利益は前年比97.8%減の55億円だった。保有する中国の電子商取引大手アリババ・グループ・ホールディング<BABA.N>株式の資金化でデリバティブ損失を計上したためで、今期と前年同期からアリババの特殊要因を除くと前年比61%増の1833億円となる。

ソフトバンクを巡っては、米配車サービス大手ウーバーテクノロジーズ[UBER.UL]への出資観測も出ている。孫社長は会見後に開いた説明会で「われわれがウーバーや(米配車サービスの)リフトに投資するかはわからない」としながらも、「われわれはウーバーやリフトとの議論に興味がある」との認識を示した。

通期業績予想は開示していないが、国内通信事業は将来を見据えた先行投資で前期比最大7%の営業減益を見込んでいる。孫社長は「一時的に営業利益が少し減ってもいいから、将来のための布石をいま打つ」と語った。

トムソン・ロイターがまとめたアナリスト20人の営業利益予想の平均値は前年比16.1%増の1兆1920億円となっている。

<利益相反は理解不足>

ソフトバンクビジョンファンドを巡っては、ソフトバンクとの利益相反の可能性も指摘されている。これについて孫社長は、今後は原則としてビジョンファンドに投資の優先権があるとあらためて説明。ビジョンファンドが投資に当たり、利益相反の可能性を判断して、拒否権を発動できる組織があるとして「一部に利益相反があるのではないかと懸念している人がいるが、単なる理解不足かわれわれの説明不足だ」と理解を求めた。

*内容を追加しました。

(志田義寧 編集:吉瀬邦彦)

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