プログラミング教育の現場でわかったこと これは想像以上にハイレベルなものだ
何度も試行錯誤を繰り返しながら“正解”を目指していく。
「といっても、こちらでハッキリとした“正解”を用意してあるわけではありません。答えを当てにいくのではなく、自分で納得できるゴールまで能動的にもっていくことが、いちばん大切ですからね。教室側はあくまでも、その補助をするスタンスなんです」
あぁ、なるほど。これが最近話題になっている「アクティブ・ラーニング(能動的学習)」なのか。思い起こせば、我々の世代で“勉強”といえば、ひたすら暗記してるか、傾向と対策とかいいつつ“当てる”ための知恵ばかり磨いてきたもの。
故に「数学できんが、なんで悪いとやぁ!!」みたいに『高校大パニック』チックなセリフを、今でもついうち吐いてしまいがちな我々なのだが、こんな感じで、今学んでいる事柄の関連性を総合的に理解できるような学び方をしていれば、プログラミングや最新テクノロジーに対しても、ここまでナーバスにならなかったのかなぁ、と。この点では、本当にイマドキの子どもたちが羨ましい限りですよ。
奥深すぎる「プログラミング」教育の現場
辰巳先生によれば、『Kicks』のカリキュラムは理系を総合的に学ぶSTEM教育をベースとしているものの、学ぶ際の導入やゴールは、さらに広く設けているという。
「たとえばブロックを使ってベルトコンベヤーをつくるテーマの場合なら、ベルトコンベヤーが青果市場などで商品の運搬に利用されていることから、最初にベルトコンベヤーに載せる野菜や果物などの産地について学ぶ、といったように、テーマごとにさまざまな“入り口”を設けています」