プログラミング教育の現場でわかったこと これは想像以上にハイレベルなものだ
連載前半で紹介したソニーの『MESH』の場合もそうだったが、結局のところ「プログラム」は、あるモノを作る上で必要な“パーツ”でしかない。扇風機の場合で言えば、扇風機の羽を回すモーターを制御するプログラムを組むためには、モーターの力を羽に伝えるギアや、効率よく風を起こす羽の構造を、まず理解しなければ意味がない、というわけだ。
ちなみに『Kicks』の授業で利用している『WeDo2.0』のプログラムアプリも、パソコンを使ってはいるがソニーの『MESH』と同様に、基本的には機能を呼び出すアイコンを配置するだけでプログラムが組める簡単なもの。とはいえ、アイコンを並べながらプログラムの構造を視覚的に理解することで、より高度な言語を使ったプログラミングにも対応できる「考えるチカラ」を身につけることができるという。
自分で考え、行動する能力を養うことが何よりも大切
言われてみれば、確かにごもっとも。実際、体験した授業の中で最大の“難関”となったのは、先生の指示に従い完成させた扇風機の羽を、ちゃんとした風を起こせるように改良する工程だった。
確かにこのままでは、大した風は起こせない。そこで、実際の扇風機の羽の形状を思い出しながら、他のブロックを組み合わせていくわけだが……。
形状は似た感じなのに全然風が起こせなかったり、ブロックをつけすぎて扇風機が倒れてしまったり。