安倍改憲プラン、支持率低下で身内から異論 党総裁3選シナリオの実現にも黄信号
[東京 31日 ロイター] - 安倍晋三首相の描く改憲シナリオの実現に暗雲が立ち込めてきた。内閣支持率の低下を背景に、自民党内で改憲案の早期とりまとめに異論が出てきているためだ。連立与党・公明党も慎重姿勢で、2020年の改正憲法施行という安倍首相の目標達成のハードルは大幅に上がっている。これに対応するように、自民党内では今秋にも衆院解散があるとの観測が浮上。安倍首相の政治的な判断への注目度が、にわかに高まってきた。
支持率低下、改憲発議困難の声
「これからは、総裁だから何でもごもっともとはいかなくなる」──。自民党・憲法改正推進本部顧問の野田毅衆院議員は、同党内にくすぶる安倍首相への空気を代弁してこう述べた。
安倍首相は5月3日、憲法改正を求める集会にビデオメッセージを公表し、2020年を新しい憲法が施行される年にしたいと表明。
6月24日には、秋の臨時国会中に国会の憲法審査会で自民党の憲法改正案を提案したいと表明。憲法改正に関する党内手続きの加速化にリーダーシップを発揮する意向を示した。
首相側近の下村博文・自民党幹事長代理は6月25日、自民党の改憲案を11月上旬までにまとめる必要がある述べた。
しかし、7月2日の都議選で自民党が大敗し、その後の世論調査で内閣支持率が急落すると、自民党内の憲法改正に対するムードは、大きく変わってきた。