安倍改憲プラン、支持率低下で身内から異論 

党総裁3選シナリオの実現にも黄信号

ただ、安倍首相に近い自民党執行部の中には、秋の臨時国会に自民党の改正案を出すという予定に変わりはないと「既定方針堅持」を強調する声もある。

総裁3選厳しく、来年通常国会に提出必須

支持率低下は、安倍首相の党総裁3選シナリオの実現にも大きな影を投げかけている。

野田氏は、安倍首相の総裁3選シナリオについて「そういう話だった」と述べた。あえて過去形としたことに触れ「可能性があるというだけ。そうなるかはわからない。今は非常に難しくなったという見方が増えている」と、党内情勢の変化に言及した。

また、内閣支持率の低下は、憲法改正の最大のハードルである国民投票における過半数の賛成票確保に大きな障害となりかねない。

船田氏は「それは大変な危険を伴う。もし、(国民投票での過半数確保に)失敗したら、同じ状況での再提出はできないだけでなく、政治的なダメージの方が大きくなる」と指摘。内閣の支持率を上げない限り、憲法改正の実現は難しいとの見通しを示した。

憲法改正のハードルが上がるにつれ、自民党内では早期の衆院解散・総選挙を安倍首相が断行するのではないかとの観測が急速に広がっている。

憲法改正が難しくなってきたのであれば、安倍内閣の継続を最優先とし、衆院選での野党共闘や、先の都議選で躍進した都民ファーストの国政進出の準備が整う前に解散した方が「得策」との戦術的な見方だ。

安倍首相は、支持率低下の下でも改憲に取り組むのか、それとも早期解散で改憲を断念するのか。日本の政治情勢は、ここに来て一気に緊迫の度合いを高めている。

(中川泉 リンダ・シーグ  取材協力:宮崎亜巳 竹本能文  編集:田巻一彦)

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