本当に実現した!あの「湯~園地」の舞台裏 バブルジェットコースターの乗り心地は?

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今回話題をよんだ湯~園地だが、常設に結び付けるには、「あまりにもハードルが高い」(長野市長)。たとえば技術面でも、温泉水にさびの成分があるため、アトラクションを毎回洗浄しなければいけないなど、長期の運営には克服すべき課題が山ほどある。期間限定で「湯~園地」のさらなる実現があるかどうかも、現時点でまだ不明だ。

それでも、今回の湯~園地の経験が、今後の別府の街おこしの大きな力になると、長野市長は期待している。「ボランティアで関わってくれた人たちの存在がすばらしい。イベントで得た企画、運営で得た経験やスキルを街の活性化にいかしてほしい」(長野市長)。

「遊〜園地」の本当の目的

ボランティアスタッフは6月に初めて説明会を実施した。別府市からはもちろん、大分県のほかの市や、福岡など近隣県からの参加者も多かった。

当日は、遊び心いっぱいに湯~園地を盛り上げ、河童のコスプレで水を配ったり、ゾンビの衣装でアトラクションに参加したり。アトラクションの列に並ぶ人をうちわであおぎ、笑顔とジョークで、熱中症にならないか気遣ったり。エンターテインメント性たっぷりにもてなす様子が目立っていた。

ボランティアに携わった動機でもっとも多かったのは、別府市観光戦略部観光課によると、「2度とないイベントだから」というもの。「県外の来場者も多いので、おもてなしをしたかった」という地元の声も多かった。高校生も数多く参加。「後にも先にもない経験は、一生残る思い出になる」と参加をすすめている先生もいる。

長野市長が街おこしで本当に実現したかったのは、「別府は世界に発信できる、自信を持てる場所」という価値をわかってもらうこと。湯~園地はそれを実現するためのツールだった。「湯~園地のように、企画やアイデアで、資金や人をひきつける街おこしが広がっていくのが理想です」と長野市長は話す。「湯~園地で思いを1つにした経験、スキルアップしたことを体現するための企画やイベントを考えていきたい」。

企画から資金調達まで”規格外”の街おこしは、地方創生の新たな例になるだろうか。

斉藤 真紀子 ライター

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さいとう まきこ / Makiko Saito

日本経済新聞米州総局(ニューヨーク)金融記者、朝日新聞出版「AERA English」編集スタッフ、週刊誌「AERA」専属記者を経てフリーに。ウェブマガジン「キューバ倶楽部」編集長。共著に『お客さまはぬいぐるみ 夢を届けるウナギトラベル物語』

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