本当に実現した!あの「湯~園地」の舞台裏

バブルジェットコースターの乗り心地は?

ほかにもミストが吹き付けられる、「湯~覧吊り橋」で別府の絶景をのぞむなど、湯とアトラクションを同時に体感する、合計12のアトラクションがそろっていた。初日は4000人が来場。3日間で合計1万人以上の来場者を見込む。

この企画を現実するまでには、さまざまなハードルがあった。会場となった、創立88年の歴史ある「ラクテンチ」の関係者でさえ「実現は難しい」と見ていた、と長野市長は言う。実現に向かう支えとなったのは、別府のみならず、各地から集まった支援金と、ボランティアの力だ。

資金はクラウドファンディングで調達

資金は税金をいっさい投じることなく、クラウドファンディングを通じて集められた。動画の反響は大きく、2月に開始してから、2カ月後に個人や団体から、目標額の約3396万円を調達。さらに、入園券を返礼とする支援受付を4月に開始し、7月21日までに約8182万円を集めた。

湯~覧吊り橋の上でポーズを取る、長野恭紘市長(右)と、総合監修の清川進也氏(左)(筆者撮影)

「おカネが足りないことを言い訳にしたくなかった。企画競争力を高め、誰が見ても楽しいという仕掛けを作れば、資金は集められるという例を作りたかった」。税金をあえて投入しなかった理由について、長野市長はこう説明する。動画が世界でシェアされたこともあり、入園券の7割は大分県外の支援者となり、別府を知らなかった人にもアピールすることができた。

「クラウドファンディングを行うことで、他人事から自分事になる。実現の当事者を増やすことで、結果として、別府をより多くの人に知ってもらうことができ、市の活性化につながると考えています」(長野市長)

湯~園地の総合監修は11月の動画制作を監修した清川氏が引き続き関わり、斬新なエンターテインメントのアイデアを取り入れることができた。さらに、別府市で4月に行われる「別府八湯温泉まつり」や、夏の「べっぷ火の海まつり」の実行委員会のスタッフがボランティアとして参加したことで、市内の業者への連絡などがスムーズになり、イベントを迅速に実行に移すことができた。

次ページ「常設」になる可能性はあるのか?
ビジネスの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 世相をリアルに映し出す 流転タクシー
  • 看取り士という仕事
  • 就職四季報プラスワン
  • 最新の週刊東洋経済
トレンドライブラリーAD
人気の動画
ANAとJAL、国内線で競り合う復活レースの熾烈
ANAとJAL、国内線で競り合う復活レースの熾烈
富裕層、世代でまったく異なる「お金の使い方」
富裕層、世代でまったく異なる「お金の使い方」
サイゼリヤが「深夜営業廃止」を決断した裏側
サイゼリヤが「深夜営業廃止」を決断した裏側
話題の「30分で絵を描く」秘訣、驚くほど簡単4手順
話題の「30分で絵を描く」秘訣、驚くほど簡単4手順
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
メタバース革命が始まる<br>全解明 暗号資産&NFT

不正流出事件から4年。復活不可能に見えたビットコイン相場は米国主導で活況を取り戻しました。暗号資産を使ったNFTの購入、そしてNFT取引が広がるメタバースにもビジネスの機会が広がっています。日本は暗号資産とどう向き合うのでしょうか。

東洋経済education×ICT