ベンツ、新型「Sクラス」の権威 1000万円超の最高級車が織りなす“異次元”の世界
新型Sクラスのベーシックモデルとなる「S400 HYBRID」は、その名のとおり排気量3500ccのエンジンとモーターを併用して走るハイブリッド車(HV)。最高出力306馬力のハイパワーながら、ガソリン1リットル当たり15.9キロメートルの燃費性能を持つ。その上位車種として同4700ccエンジンを積む「S550 long」や、ツインターボ5500ccエンジン搭載の「S 63 AMG」などがあり、S63の場合、最高出力は585馬力とすさまじいパワーである。
HV隆盛の日本に合わせた車種構成
日本ではトヨタ自動車が高級車ブランド「レクサス」にすべてHV仕様を設定。量販車も含めてHVの人気が高まっている。それが、SクラスのベーシックモデルをHVとしたベンツが採った車種構成の戦略に少なからず影響したようだ。
「Sクラスはベンツのフラッグシップ。つねに最先端技術を搭載してきました。新型Sクラスは、世界の自動車のベンチマークとなる新時代の車です」。23日昼、東京・晴海埠頭に横付けされた、にっぽん丸の船内で開いた発表会の冒頭で、メルセデス・ベンツ日本の上野金太郎社長は胸を張った。
上野社長が言うように、新型Sクラスには実にさまざまな技術や装備が投入されている。その中身を詳しく説明したプレスリリースの詳細版は、なんと105ページの冊子として配られた。すべてを紹介できないが、まさに未来の車を先取りするような装備の搭載や技術改良がなされている。
たとえば、「マジックボディコントロール」と呼ぶサスペンション(足回り)システム。前方の路面の凸凹をフロントガラスに設置したカメラでとらえ、路面の状況を予測したうえで、足回りが最適な動きをするように制御する。従来のSクラスと乗り比べたという上野社長に聞いたところ、「間違いなくこれまでの車にない感覚の快適さを実現している」という。