今こそ考えたい、政党のリーダーの選び方

その場かぎりの「選挙の顔」だけでは有権者には響かない

 

「小泉劇場」は特別?――リーダー公選への条件

政党のリーダーを選ぶ選挙といえば、2001年の小泉純一郎自民党総裁の誕生を思い出す方が多いかもしれない。最大派閥を形成し、当初国会議員の圧倒的な支持を受けていた橋本龍太郎氏を、一般党員からの支持を得て破った、実質的な「総裁公選」だ。

しかし、これは例外、政党のリーダーは選挙の体裁をとっても密室で選ばれるもの、という印象がやはり強いだろう。

政党リーダーの選出についてまず考えるべきは、誰が選挙権を持つのか、つまり有権者の範囲である。

牧原出『権力移行』、自民党長期政権から最近の政権交代までの権力の移行を分析することで、日本のリーダーシップの継受を明らかにする好著(2013年、NHK出版)

最も狭くとれば、政党の限られたメンバー・長老という人々が有権者となり、リーダーを選ぶ。長期政権にあった自民党では、この方法がしばしば用いられてきた。三木武夫氏を選んだ「椎名裁定」や竹下登氏を選んだ「中曽根裁定」などだ。

限られたメンバーによるリーダー選出は、権力の移行を円滑にし、混乱を最小限にとどめる。しかし、常に不透明で非民主主義的であるという批判は免れない。 

小渕恵三首相の急病を受けて、いわゆる「5人組」が後継を選定したとされるケースでは、その不透明さが、選出の正統性を揺るがし、森喜朗首 相は在任中低支持率に悩み続けることになった。

ただし、最近ではこのような「密室」での選出はあくまで例外的である。現在の自民党・民主党の党首選出規定では、国会議員に加えて両党の党員 やサポーターも投票に参加できることになっているからだ。

自民党は都道府県ごと、民主党は小選挙区ごとに一般党員などの票を集計し、国会議員票との合計で党首を選ぶのだ。

次ページ「党首選出」の有権者は拡大していく
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