ロッテ「Fit's」、売り上げを急増させた立役者

若者の「ガム離れ」をどう食い止めたのか

中でも驚いたのは1400人のフォロワーをもつという女子高校生の発言だった。「リアルにみんなの前でいいことをしても、見ているコって3~4人ですよね。それがSNSで恰好いいことをすると1400人に広まり、効率的じゃないですか」。そして10代はテレビでは動かない。SNSだという結論に至った。

高校の教室にどんな人がいるかを聞いた結果、パリピ(パーティー好き)、意識高い(系)、部活ガチ(部活に熱心な人)、オタクという4つのタイプが見えてきたという。オタクでも明るいオタクと暗いオタクに分かれることがわかり、架空のクラスにもそれぞれ登場させた。

こうした4グループが入る2年F組Fit’s組に在籍するのは、男子ボーカルダンスユニットのM!lkの5人、女子アイドルグループのマジカル・パンチラインの5人。ここに学級委員として、子役タレントとしても活躍した福原遥さん、Popteenなどで活躍したモデルの越智ゆらのさん、そして謎の高校生役で渡辺直美さんなど17人が出演している。

フォロワー持つタレントを起用して積み上げ

キャストで最初に決まったのはM!lkの佐野勇斗さん。昨秋に佐野さんが出演したテレビドラマ「砂の塔」で、「あのお兄ちゃん役のコ、かっこいい」とネットで拡散されたのを受けて、すぐに連絡を取った。越智ゆらのさんの起用も早くに決まった。

SNSに日々新しい画像を掲載し、発信していく(写真:Quark tokyo)

「どこに誰を置いたら、どれだけフォロワーを取れるのかを計算していた」(オノダ氏)。40万人のフォロワーがある越智ゆらのさんの起用が早かったのも頷ける。

現場では動画だけでなく、スチールを200~300カット撮るため、撮影はタイト。「ムービー撮った後、終わった人は次スチール行くよ」という感じで、日々流すTwitter用の画像も大量に撮るが、「それでも3カ月くらいしかもたない」(オノダ氏)。日々の更新が求められるネットへの対応も楽ではない。

登場人物のキャラクターづくりは「出演者と話して決めていることが結構ある」とオノダ氏。「いや、でももうちょっとこういう風にしますよ、普通」などと、話をしながら決めるという。「リアルに彼らの思うことを反映するのが一番、彼らのことを好きな人たちに刺さる」(オノダ氏)と考えているからだ。

ストーリーの大枠を維持しながら、SNSの反応をみてサブストーリー部分はどんどん変えている。「恋愛はいや」という声は常に強く、「安易にくっつけないで」というのがファン心理。ただ、ファンの声を受けて、M!lkのメンバー、吉田仁人さん演ずるハイスペックなオタクと、ダコタさん演ずるパリピが戯れるシーンをツイッターでは多く配信している。

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