ロッテ「Fit's」、売り上げを急増させた立役者 若者の「ガム離れ」をどう食い止めたのか
また、SNSの分析を踏まえ、拡散力の強いキャラは登場時間を増やすなどの変更も加えている。「メンバーの出尺(登場時間)とツイッターでの拡散数が完全に比例することがわかり、尺の長さは完全に数字のロジックで決めている」というのだ。
クリエイターがビッグデータを扱う
そこには冷徹なデータ分析がある。オノダ氏はもともとネット広告大手のオプト出身。社会人1年目からSEMという検索エンジン管理のコンサルをしていた。エクセルで広告効果の予測を立てるのが仕事であり、趣味のような生活を送っていたという。
今回のプロモーションでもその部分はきっちり生かされている。動画の視聴回数と各ツイッターに対するフォローやいいね、リツイートなどのエンゲージメント率を全ツイートごとに取っている。
そして販売データと紐付けることで、購買行動まで見えるようにしている。誰のツイートが一番売り上げに寄与しているかわかるうえ、パリピ、意識高い系、部活ガチ、オタクの4属性ごとに広告を打っているので、それぞれに対して、どの味がどう売れるかが見えるという。
「ほとんどの広告会社でビッグデータを扱う人とクリエイティブの人は別。部署も別になって完全に分断されている。ビッグデータを扱っている人は天才的な解析をしているのに、クリエイターの耳には入らない。本当は全部やれば自分がつくったものが正しかったかリアルにわかるのに、何となくデータは他人に任せてしまっている」(オノダ氏)。
効果は上々だ。10代の「Fits」の売り上げは、前年同時期に比べ急増。プロモーション継続も決定した。7月6日から公開の第2弾動画には、教育実習生役で土屋太鳳さんを起用。10代だけでなく20代までターゲットを広げたプロモーションも始まっている。
【7月12日19:00追記】記事初出時「前年同時期に比べ何と2.2倍に急増」としていましたが、事実確認ができないため、「何と2.2倍に」を削除します。それに伴いタイトルの表記も修正しました。
振り付け師には星野源さんの「恋ダンス」でお馴染みのMIKIKO先生を起用し、プロモーションの規模も大型化。月内にはもう一本新しい動画を用意する。さらに、「踊ってみた」動画が5月の運動会シーズンに卒業シーズン以上に増えた経験から、秋の体育祭や文化祭にも狙いを定める。もっと多くの人に踊ってもらおうと、知恵を絞っている。
テレビを使わず予算規模を抑えながらも大きな効果を生んだプロモーション。まずは10代向けでは大きな成果を生んだようだ。
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