人気作家夫婦が交互連載で離婚を考えたワケ 自分の怒りの理由を相手に聞くクイズはNG!

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――円城さんの「妻の選書に対して窓越しに『ソラリス』を眺めるような恐怖を感じ続けていたわけですが(*)、あちらへ『バトル・ロワイアル』的な多様性を提示できたかというと――割とできたんじゃないかなあ」が、企画の本質を最後の最後で浮かび上がらせています。

田辺:これは夫婦の連携じゃなくて、円城塔の努力の賜物ですね。

円城:そりゃあ本にするって決まってるんだからさ……。ホントこういうことを気にしないタイプなんですよ、この人。

(*注:惑星ソラリスの赤い海は思考する生物だが、人間にとってはその意図が理解しがたい対象として描かれる。)

夫婦に相互理解は必要ない!?

――連載の目的に戻りますが、そもそも夫婦にとって相互理解って必要なんでしょうか。

円城:いや、まったく必要ない。こういうリレー連載という形での可視化もしないほうがいい。険悪になるから(笑)。僕にとってこの人は、ソラリスの海とかなり近い存在ですよ。理解できない対象。ソラリスもルールを守らないしね(笑)。

田辺青蛙(たなべ せいあ)/1982年大阪府生まれ。2008年、第15回日本ホラー小説大賞短編賞を『生き屏風』で受賞。趣味はコスプレで、円城塔との披露宴では碇シンジのコスプレを披露した(撮影:菊岡 俊子)

田辺:うーん、私は理解し合ったほうがいいんじゃないかと思うけど……。たぶん、お互い今までの人生でいなかったタイプなんです。いまだによくわからないんですよね。あまりにかけ離れすぎてて、私が円城塔だったら「なんでそうしないのかな」ってよく思うんです。

――

円城:いまのこの人の発言、よくわかんなかったでしょ(笑)。何かにつけ「もし自分が△△だったら」って妄想をよくしてるらしい。「自分が円城塔だったら、こうはならないはずなんだけどな」っていう不思議さを日常の中で感じてるそうなんだけど、そんなこと考える必要ないよ。

田辺:だから、あなたを理解するためにね。

円城:その理解の仕方は変だよ! なんで憑依しようとするんだよ(笑)。

田辺:『君の名は。』みたいに、もし入れ替わったらと考えちゃうんだよね。

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