企業の研究開発に「女性が少なすぎる」大問題 理系の女性が少ないだけが理由ではない

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研究開発とは、研究によって得た知識なり技術を商品として開発する仕事で、主に理系職で、理工系の学部出身(大学院卒も比率が高い)の人が就くことの多い職種。基礎研究的でやや内向的な印象も持たれがちですが、英語でR&D(Research & Development)ということを考えると、印象が変わってきます。会社の“将来の飯の種”を創造するため、営業やマーケティングとかかわる外交的な役割を担うこともあります。

たとえば、食品メーカーの研究開発職として勤務すれば、営業と販売先の店舗で市場調査や消費者の声を聞いて、新たな商品開発に活用するのも当たり前。黙々と研究開発に勤しむこともある大学の研究室に残るのとでは大きな違いがあります。そんな研究開発の仕事で女性の数が少ないのです。

日本における女性研究者は約10万人。その数は研究者全体の約1割と少ないですが、民間企業に勤務しているのは、そのうち3割しかいません。

研究者    男性:女性=100万:10万
うち会社勤務 男性:女性=60万:3万

会社における研究開発職は男女比で20倍ということになります。このように、民間企業における研究開発職の女性比率は甚だ低い状態なのです。

筆者は営業職や管理職はストレスも大きく、出産・育児・介護等で休職後に復職するには仕事のブランクが大きな障害となるため困難さが伴う。それと比べて研究開発は女性には働きやすい職業と思い込んでいました。ところが、そうでもないようです

メディプラス研究所が発表した「女性のストレスオフな職業や働き方」によると研究開発職はストレスが高い職業の上位にランクインしています。筆者の考えはちょっと違っていたようです。

ポスドク問題と呼ばれて

理系の女子学生で会社の研究開発分野で仕事をすることを望む人は少ないようです。ちなみに理系学生の男女比はだいたい2:1。

そもそも、大学に残って研究を続けるのは大変。博士号取得者が量産されて、就職の受け皿となる大学や公的研究機関のポストを増やさなかったため、1万人以上のドクター(博士号取得者)でも正規の職につけていない状況。ポスドク問題と呼ばれ、研究開発職の就職に苦労していることを示す言葉として有名になりました。

大学の研究室に残って研究を続けるのは簡単ではないのです。ならば、民間企業への就職が課題になるわけですが、それも厳しいのが実情のようです。就職したくても内定が出ず、20社受けても内定が出ない。ついには就職をあきらめたという話も珍しいケースではありません。

専門により違いますが、研究職1人の募集に対して2000人以上の応募がある分野もあるくらい。それだけに今の就職環境が売り手市場にもかかわらず、理系女子の研究開発職への道のりは困難です。さらに運よく就職できても長続きしないケースも多いようです。筆者の取材では、狭き門を通過して民間企業で研究開発職に就いた理系女子が入社間もなく辞めるケースは少なくありません。その理由はどこにあるのでしょうか?

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