医療と介護の緊密連携を阻んでいるのは誰か 約800人の医療・介護関係者にアンケート調査
一方、ケアマネジャーからは「アポを取りたくても取れない。取っても忙しすぎて会えないこともある」など、医師の多忙さが連携を難しくしているとの声があった。また、「近寄りがたい」「怖い」などを理由に挙げる人も多く見られた。
連携を進める上で課題と感じていることを複数回答で尋ねたところ、医療関係者では「職種間の専門性の理解が乏しい」(57%)が最も多かった。次いで多かったのは「相手によって連携できる範囲や内容が変わる・異なる」(55%)で、以下は「人によって連携の取りやすさに違いがある」(52%)、「お互いの役割分担が明確でない」(44%)などの順となった。
一方、ケアマネジャーでは「人によって連携の取りやすさに違いがある」が23%で最も多かった。次いで多かったのは「相手によって連携できる範囲や内容が変わる・異なる」(16%)で、以下は「連絡の取れるタイミングが限られる」(12%)、「職種間の専門性の理解が乏しい」(11%)などの順だった。
連携が必要な場面、いずれも「病院の入院・退院時」
連携が特に必要と思われる場面について複数回答で尋ねた質問では、医療関係者では「病院の入院・退院時」(71%)が最も多かった。次いで多かったのは「介護施設の入所時・退所時」(40%)で、以下は「慢性病などを抱えた人が自宅などで療養生活を送るとき」(39%)、「自宅などでの看取り・ケア」(36%)などの順となった=グラフ2=。
ケアマネジャーでも最も多かったのは「病院の入院・退院時」(30%)だった。次いで多かったのは「自宅などでの看取り・ケア」(21%)で、以下は「慢性病などを抱えた人が自宅などで療養生活を送るとき」(16%)、「自宅などで容体が急変したとき」(14%)などの順となった。
「病院の入院・退院時」には連携が不可欠と考えている点は、医療関係者とケアマネジャーで共通していた。一方、特に「介護施設の入所時・退所時」などでは両者の意識に違いが見られた。
(文:ただ正芳)
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