元NHKキャスターが小児科医を目指すワケ

医学部に通いながら学費のために仕事も継続

CBnewsの取材に応じる小島さん(写真:「CBnews」編集部)

現在、フリーアナウンサーとしてラジオ日本(横浜市)などでニュースを担当している小島亜輝子さん(32)は、医学生の顔も持つ。聖マリアンナ医科大(川崎市)の2年生だ。27歳で長男を出産したが、妊娠中の健診で、長男となる胎児に先天性肺疾患があることが分かった。出産当日に手術を受け、すぐに新生児集中治療室(NICU)に入院した。妊娠から出産、そして産後まで医師などの医療者が、わが子を懸命に助けようとする姿勢にほれ込み、「私もそっち(医療者)側になってみたい」と、医師を目指すことを決めた。

2007年3月に慶大文学部を卒業し、NHKに入局。山形放送局のキャスターとして地域報道に従事した。その間に気象予報士の資格も取得した。11年に結婚を機に退職、フリーアナウンサーになった。そして妊娠・出産を経験することになる。今、医学部に通いながら、学費捻出のために仕事を続け、育児もこなしている。二足のわらじの生活は容易ではない。朝4時に起きて、授業の予習をしたり、レポートを作成したりする忙しい毎日を過ごしている。

医学部受験に高いハードル

当記事は「CBnews」(株式会社 CBnews)の提供記事です

医師にあこがれ、医学部を受験しようと考えたが、ハードルは決して低くはなかった。国公立大医学部に入るためにセンター試験を受けたが、受験勉強の勘を十分に取り戻せずに失敗。私立大への道を模索した。医学部受験にチャレンジして3回目、聖マリアンナ医科大に合格した。クラスメイトには、小島さんと同じように、元銀行マンだったりして社会人経験をした生徒が複数人いる。クラブ・サークル活動はダンス同好会に所属。慶大時代にジャズダンスに打ち込んでいたこともあり、またダンスを選んだ。

医学生になるまでに立ちはだかったのは、勉強だけでなく高い学資だった。私立大だけに、アナウンサーの収入や、これまでの預貯金では賄えない。サラリーマン家庭に育った小島さんは、すでに定年を迎えていた父親に、学資の面倒を見てもらうわけにはいかなかった。ネットなどで医学生の奨学金制度を片っ端から調べると、生まれ故郷の群馬県館林市にある公立病院で、卒後の初期研修から6年間、そこで働けば返済が免除される制度があることを知った。

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