<ミセス・パンプキンからのコメント>
優秀な学生も親の助言や協力を必要としている
本コラムの基になっているアンケートに答えてくださった学生さんたちが所属する大学は、東京大学・京都大学・早慶・一橋・東工大を中心とする、5~6大学に限られたものでした。いわゆる日本の一流校と呼ばれている大学で、ほとんどの学生さんは中学受験時より自主的に勉強し、進路もほとんど親の干渉を受けずに自分で選択し決定しておられます。
より幅広い大学生(無作為の5000人)を対象に実施されたベネッセ教育研究開発センターの調査結果は、少し違ったものでした。学生生活や就職などで「保護者の意見に従うことが多い」と答えた学生が50%弱に達していたのです。そういえば子供に代わって親が会社回りをし、資料を集めて子供に渡す記事を読んだことがありますが、親が勝手に先走っていると読んでいましたが、調査結果は、それを望んでいる子も大学生の中には相当数いることを示しています。
こちらの調査では「おカネが必要になったら保護者が援助してくれる」が65%、「大学の授業は発表などの演習形式より、教員が知識を一方的に教えてくれる講義形式のほうがよい」とした学生が83%で、依然として日本の「自立していない受け身姿勢の大学生」像が浮き彫りになった格好です。
就職も自分で決められない学生が社会人になって、責任ある想像的な仕事ができるのか案じられるところですが、そのような学生が半数以上だというのです。
本コラムのアンケートに答えてくださった学生さんたちは、今流にいえばその時点で「勝ち組」に入り、受けた放任教育は正解だったことになりますが、彼等でさえ、そのことに感謝しつつも、もっと親の助言や協力が欲しかったと注文することが少なくありませんでした。子から親への教育に関する期待や信頼の大きさが想像以上で、遅ればせながらいろいろ考えさせられました。
選択肢の狭い幼少時に、より広い情報を持つ親が、子供の特技や関心事に特化してそれを伸ばすべく導いてほしかったと希望する学生さんが多かったのです。親からそのように導いてもらって育った友人より後れを取ったと言う学生さんもおられました。
言い換えれば自由放任教育と言えどその中身は、子供の特性を見だしてそれが発揮できるように情報を与えたり誘導されたりした家庭や、結果的には最後まで無関心に近かった家庭など、さまざまだったことが判ります。
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