米国の雇用促進に本当に必要な政策は何か グローバリズムが悪いわけではない

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最低賃金引き上げや失業保険改革も重要だとバーグステン氏は語る。同氏によれば、失業者の3分の1しか失業給付を得ていない。

自由貿易から雇用を守ると訴え、大統領になったが…

北欧諸国がGDP(国内総生産)の1%以上を再トレーニングや求職者と雇用者のマッチングなど積極的な失業対策に振り向けているのに対し、米国はわずか0.1%。失業者1人当たり1800ドル(約20万円)だ。

これを倍にすれば、70万人近い雇用を守ることができる可能性があると、中央銀行のエコノミストは試算している。たとえば、自動車工場で働く50歳の高卒労働者の多くが、長期失業者とならずに済む見通しだ。

こうした提言を行っているのはバーグステン氏だけではないが、政治的障壁は高い。トランプ氏は自由貿易から雇用を守ると訴え、大統領になった。が、失業対策の政策提言を受け入れる様子はまるでない。「オバマケア改廃など、自らの支持者の利益に反する方向に動いている」と、バーグステン氏は話している。

リチャード・カッツ 東洋経済 特約記者(在ニューヨーク)

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Richard Katz

カーネギーカウンシルのシニアフェロー。フォーリン・アフェアーズ、フィナンシャル・タイムズなどにも寄稿する知日派ジャーナリスト。経済学修士(ニューヨーク大学)。著書に『The Contest for Japan's Economic Future: Entrepreneurs vs. Corporate Giants 』(日本語翻訳版発売予定)

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