トランプ政権の実行力を議論しても無意味だ

マーケットの目はすでに米国の実体経済へ

すでに株式市場は「トランプ政権の実行力のなさ」ではなく「米国経済の実体」を重視している、と筆者は分析する(写真:The New York Times/アフロ)

どうせ実現しない政策を議論しても仕方ない

先週の初めまで、株式市場では株価が下落すると、米国を中心に「トランプ政権の経済政策に対する警戒感」という理由がもてはやされた。きっかけは、オバマケアの代替法案について、共和党からも反対者が出て、議会での可決が見込めず、結局は採決せずに廃案となったことだった。

これが2点で懸念を呼んだ。すなわち、その一つは、オバマケアを他のプランで代替することくらいは、共和党内で賛同を集めやすいと見込まれていたため、「容易だったはずの案件で共和党がまとまらないなら、経済関連の政策では、もっとまとまらないだろう」、との不安が生じたことだった。

もう一つは、オバマケア代替に時間がかかるのなら、経済政策への着手が遅れる、という心配だった。

ただ、当コラムで何度も述べてきたように、トランプ政権の経済政策など、どうせ実現しないか大幅に縮小するのは自明なので、トランプ政権の動向に「囚われる」のは誤りだ。

昨年秋の大統領選挙以降、トランプ効果に期待したのは行き過ぎだったし、いまさら失望するのも行き過ぎだ。

これは、トランプ大統領が当初掲げた減税策やインフラ投資が「経済効果がない」と主張しているのではない。3月に議会に提出された予算教書は、減税もインフラ投資も具体的な金額が盛り込まれていない。そもそも予算教書とも呼べない「予算のたたき台」のようなものが公表されただけで、「詳細なものは5月に発表する」とトランプ政権は述べている。

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